2012 Fiscal Year Research-status Report
非同期プロセス共有によるスキル獲得支援に関する研究
Project/Area Number |
24650551
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
香山 瑞恵 信州大学, 工学部, 准教授 (70233989)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | スキル獲得支援 / プロセス共有 / プロダクト共有 / ドローイング / 歌唱 / スピードスケート / 非同期 |
Research Abstract |
本研究では,同期プロセス共有とプロダクト共有に加え,非同期でのプロセス共有という協調活動を実現することで,スキル獲得の支援を試みる.具体的な研究対象は、(a)協調的行為による個人のスキル獲得活動[プロセス・プロダクト共有型]の支援(ドメインはドローイング)、(b)協調行為を伴うスキル獲得活動[プロセス共有型]の支援(ドメインは、歌唱とスピードスケート)、(c)協調活動プラットフォームの整備の3点とする。 (a)については、学習者とドローイングプロセスとのマッチング・アルゴリズムを具体化する.指導者から当該学習者のプロダクトおよびプロセスに与えられたアドバイスを指標とし,類似プロセスやプロダクト,正しい行為を含むプロセス等を検索する仕組みを設計・実装した.本年度より、美術専門学校における試験導入を開始し、その教育効果の検証をおこない、研究者のみならず教育現場でもその効果の大きさを確認できた。次年度からは「デジタル・ドローイング」という名称の、正式科目がカリキュラムに組み込まれることとなった。 (b)については、協調活動プラットフォーム上に,歌唱の習熟度を評価する指標の具体化と、指導者と学習者が地理的に分散している状況での歌唱指導を可能とする支援環境の整備を行った。スピードスケートの滑走を3方向の加速度と角速度とでセンシングするデバイスの開発と、そのセンシングデータを選手によるリフレクション用に可視化する仕組みを具体化した。 (c)については、ドローイング学習支援環境とのデータ連携のための改良を行った.個々の学習環境から提供される学習活動ログを統一的に管理し,多様な参照を提供するよう機能拡張した。歌唱学習支援環境として、リアルタイム評価および事後評価のための環境を整備した。スピードスケートの滑走支援環境として、滑走データの一元管理および協調的な参照機能を提供する仕組を具体化した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時には、2つのドメイン(ドローイングと合唱)での適用を検討していたが、実際の研究展開では3つのドメイン(ドローイング、歌唱、スピードスケート)への適用を行っており、研究範囲が拡大している。本年度は関連システムの実装と試験運用が主たる活動となり、研究成果の発表が芳しくない。次年度は成果報告にも力点をおいて活動したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
(a)については、支援効果検証を行う.非同期プロセス共有による協調支援機能の有効性を専門学校での継続運用を通して検証する. (b)については、同期および非同期でのプロセス共有機能を利用した協調支援のための方法論の検討とそれに必要となる技術開発を行う.具体的には,熟練者と学習者の記録歌唱とのマッチング・アルゴリズムを具体化する.当該の学習者の歌唱プロセスを評価した結果を指標とする.前年度の成果をベースに,音のずれ,音高変化の滑らかさ,歌い出しのタイミング等を考慮し,提示歌唱を探索する仕組みを設計・実装する.また、スピードスケートに関しては、当該滑走データに対する、自身および他者の履歴データのマッチング・アルゴリズムを具体化する. (c)については、スキル獲得支援に対する同期・非同期でのプロセスおよびプロダクト共有のための汎用プラットフォームとしての再設計,実装・機能検証を行う.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内での研究打合せ・国内学会での成果発表・国際会議での成果発表のための旅費として、20万円を支出を予定している。また、研究補助者への謝金として、10万円の支出を予定している。
|
Research Products
(6 results)