2012 Fiscal Year Research-status Report
英語教育における課題遂行支援型の間接学習に関する研究
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24650552
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
外池 俊幸 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (80180157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 明史 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (50225645)
大平 茂輝 名古屋大学, 情報基盤センター, 助教 (60339695)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 教育工学 / 言語学 / 情報工学 / 英語 / 情報システム / ゲーミフィケーション |
Research Abstract |
本研究では、別の対象を主体的に学習した結果として、間接的にある対象を学ぶことになることを間接学習と呼び、英語教育において間接学習を実践するために必要な情報技術の確立を目指している。 平成24年度は、まず、既存ツールであるTMBとiStickyを活用した間接学習支援システムを構築した。英語を題材とした課題を遂行する間接学習過程において、個人で行う間接学習(調査,思考,整理)とグループ内で行われる間接学習(ブレインストーミング,整理)の双方の支援を行うものである。 次に、英語の多読教材の読み進め方を調査するために、被験者10名の紙面への書き込みと映像データを収集・分析し、間接学習実験を実施するために必要な実験条件を決定した。 最後に、間接学習過程の映像記録を行った。「好きな学問のテーマを1つ決めて、歴史と現状と展望を分かりやすく伝えるポスターを製作する」ことを間接学習の課題として与え、課題遂行の際に参考にすべき資料として、英語の多読教材である、オックスフォード大学出版の“A Very Short Introduction”シリーズ(1冊約150頁,約300冊)を提供した。課題遂行を、(i)テーマ選定と役割分担、(ii)調査報告、(iii)ポスターデザイン、(iv)プレゼンテーション、(v)反省会、の5つのフェーズに分け、各フェーズでの議論や共同作業に間接学習支援システムを使用した。間接学習過程の映像を最大4台のビデオカメラを用いて記録・分析した。学部2年生4~5名からなる2グループを構成し、システムを利用しない間接学習とシステムを利用する間接学習の両方を行い、間接学習効果を定性的に評価する手法を検討した。学生同士の相互評価やアンケートにより、適切な評価項目を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
映像データ量が膨大であるため、非言語情報の分析に時間が掛かっており、その結果として、平成24年度に予定していた間接学習効果を定量的に評価する手法の検討が不十分であるが、その他はおおむね順調に進んでおり問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
間接学習データの分析に十分な時間を割くために、システムの改善や分析ツールの開発は極力抑えて、既存ツールをうまく活用する。たとえば、映像データに対する非言語情報分析のためのツールとしては、マックスプランク心理言語学研究所が開発したELANが存在するため、こちらを使用するなどの工夫を行い効率的に研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予備実験の結果、特定の学部・学科に偏った学生から構成されるグループよりも、多様な学生を集めた方が分析対象データとして好ましいとの結論が得られたため、当初計画していた、特定の授業を受講している学生を対象とした間接学習実験だけでなく、公募により集めた学生を対象とした間接学習実験を行うことにした。そのため、謝金の支払額が計画よりも拡大しており、次年度に行う実験をふまえた結果、今年度は旅費その他の使用を抑え、その残額を次年度の研究費(主に被験者への謝金)に充てることにした。
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