2013 Fiscal Year Annual Research Report
協調学習理論の基本原理と構造を力学系によって数理モデル化するための基礎研究
Project/Area Number |
24650557
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安武 公一 広島大学, 社会(科)学研究科, 講師 (80263664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 泰之 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (70273208)
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
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Keywords | 複雑系科学 / ソシオダイナミクス / 学習科学 / 理論モデル / 教育工学 / 学習プロセスの記述 |
Research Abstract |
本研究の目的は,多様な学習履歴データの解析と理論化に対して社会物理学 (Sociophysics) 的アプローチを採用し,ビッグ・データ時代の学習科学・教育工学研究手法として注目されている Learning Analytics のための方法論的基盤を構築することであった.具体的には次の目標を置いた.(1) 社会物理学的アプローチによって (従来の質的分析などの手法では一般性・法則性を正確に抽出することがおそろしく困難であった) 学習相互作用系のメカニズムとダイナミクスを数理的に記述する方向性を見出すこと.(2) 大規模データの解析と理論モデルの組み合わせからなる数理科学的アプローチ によって,国際的に関心を集めている Learning Analytics に対しその方法論的基礎を構築すること. この目的に関して本研究が得た成果は次の通りである. 1) MOOCのような巨大な学習環境での学習プロセスを記述するためには,Yule プロセス,あるいは出生消滅過程のような飛躍型マルコフ過程をモデル化することがひとつの突破口となりえる.2) 学習プロセスでは,変化の速度が速い変数と遅い変数が複雑な学習プロセスを表現している.したがって,シネジェティクスで提唱されている「隷従原理」を学習プロセスの記述に適応することが,学習の効果を数理的に記述する上では有効である可能性がある.3) ビッグ・データを対象とした分析を本格的に行なおうとするならば,これまで教育工学/学習科学が依拠してきた方法論を本質的に拡張しなければならない. 以上を含めた本研究の成果は,JSET全国大会課題研究,大学教育研究フォーラム企画セッションなどで発表した.
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Research Products
(8 results)