2012 Fiscal Year Research-status Report
測定装置の開発を通じた化学分野のものづくり教育の研究
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24650559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 昭子 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 技術職員 (30597836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外輪 健一郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00336009)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ものづくり教育 / 粒度分布測定装置 / 終末沈降速度 |
Research Abstract |
化学実験は危険な試薬を使用する場合が多い。このため化学分野においては、初学者に対するものづくり教育を実施しにくいという問題がある。本研究では、化学という言葉から連想される合成を主眼におくのではなく、化学分野で活用する各種の装置を、創意工夫によって開発する活動を通じて、ものづくり教育の可能性の検討した。平成24年度においては、沈降式粒度分布測定装置の開発を題材とした取り組みを実施し、その教育効果を検討した。沈降式粒度分布測定装置は、粒子の大きさによって水中での沈降速度が異なることを利用して、粉に含まれる粒子の大きさを測定する装置である。被験者は、沈降速度について既に講義での学習を終えた3年生から有志を募った。取り組みにおいては、まず測定の原理についてのみを学生に提示した。その情報をもとに学生が主体となって、測定装置を考案し、設計した。完成した装置を組み立て、それを使って実際に硫酸バリウム粒子の粒度分布測定を行った。結果を市販のレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した結果と比較したところ良好に一致した。取り組みの終了後にアンケートを行い、その結果を分析することで教育効果について検討した。その結果、参加した学生すべてが、創意工夫によって装置を創造するというものづくりに高い興味を示したことが明らかとなった。また、沈降速度という学習項目についても理解が深まっていることが確認された。以上より、沈降式粒度分布測定装置開発の取り組みは、化学分野のものづくり教育として有効であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究は計画通りに進行している。当初計画していた粒度分布測定装置の開発プロジェクトを計画通りに進行し、良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、当初の計画通り、自動滴定装置の開発を題材とした化学分野のものづくり教育の開発を行う。滴定は高校でも体験している学生が多いことや、原理が単純であることから1年生を被験者として選ぶ。進め方は平成24年度と同様に方針のみを提示し、装置の設計は学生が主体となって行う。取組終了後にはアンケートを行って、取り組みの教育効果を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越額は次年度の装置作製に必要な経費の一部として活用する。特に大学院生による実験補助の人数を増大させて、より手厚く被験者の指導を行える体制を構築するために活用する。また、測定に用いるコンピュータを構築する部品の費用の一部としても活用する。
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Research Products
(2 results)