2012 Fiscal Year Research-status Report
状況内評価における評価表出行動自動収集分析システムの研究
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24650565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
加藤 浩 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (80332146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛岡 英明 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (10241796)
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 教授 (20323199)
山下 淳 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 講師 (80345157)
久保田 善彦 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (90432103)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育工学 / 分散協調教育システム / 教育評価 / 協調学習 / 形成的評価 / 社会構築主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は,教育活動の現場で相互行為的に可視化される社会構築物としての「実践能力」に基づいた,新しい形成的教育評価の方法を開発することであるが、そのために本年度は、うなずきなどの意味をもつジェスチャーを認識する技術,学習者が発する相づちや間投詞を認識する技術,などの要素技術開発を行った。 うなずき動作検出は、頭部に加速度センサを搭載しデータ処理することで、様々な頭部動作からうなずき検出を試みた。具体的には、頭部にiPod Touchを搭載し、内蔵加速度センサで計測されたデータを無線LAN経由でデータ収集サーバに送信し、サーバでうなずき動作の認識を行った。認識手法については、神戸大学の村尾助教よりうなずきに特化した認識モデルの提供を受けた。結果として、単純に首を前後に振る程度のうなずきはある程度認識できるものの、周期の長い、あるいは短周期のうなずき(やや否定的なうなずきや大いに賛同するときにこのようなうなずきが現れやすい)の認識や、首かしげなど、うなずき以外の意味を持つジェスチャーの認識については十分な認識結果を得られておらず、今後の課題となっている。 音声認識については、日本語音声認識エンジンJuliusを用いて、評価に関する短い発話を認識するシステムの開発と評価実験、および複数人が自然な会話をしているときに出てくる評価発話の認識実験等を行った。本来Juliusは膨大な語彙数から構成されている辞書を用いて認識しているが、間投詞などは誤った単語として認識される傾向にある。そこでこの研究ではあえて間投詞や同意、否定などの語彙だけに絞った厳選辞書を作成し、それを認識辞書として利用することを試みた。実験の結果、統制された状態では標準辞書74%、厳選辞書94%と認識精度の向上が見られたが、話しことばを含む日常会話では、認識率は厳選辞書においても32%程度に留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の計画にあった、うなずき動作検出技術、評価のつぶやき認識技術、話者特定技術全般において、その認識精度があまり高くないという問題がある。原因としては、各認識システム開発におけるアルゴリズム等に対する理解が不十分であった点、および、評価実験手法の準備不足が挙げられる。さらに、その根本的原因には持てる人材、時間、技術などの研究リソースに対して、研究課題が当初の想定以上に困難であり、計画が過大だったという反省がある。 来年度の研究における対策として、システム開発においては認識システムのアルゴリズム等の助言・提供を行なっていただける研究グループとの協力関係をより積極的に構築することで、研究の進捗を図る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、音声認識、ジェスチャ認識各々について、高い研究成果を挙げている研究グループがあり、それらの成果は公開あるいは共同研究という形で利用できるようになっている。本年度の研究を通して音声認識・ジェスチャ認識の基礎技術について十分な技術を持ち合わせていない面があることが判明した。それらがどういう要素であるのかについては充分な検討を行なっているため、今後、外部データの利用や共同研究の提案を行い技術の提供を依頼し転用することで本研究のコアとなる要素技術の精度を上げるよう務める。一方、システム全体におけるスレート端末とデータ処理サーバとの通信、状況内評価サーバの開発についてはこれまでの研究成果を転用し既に実用化できるところまでシステムの完成度が到達している。したがって、音声認識、ジェスチャ認識システムの開発をより精力的に進め精度を上げることができれば、システムの統合は比較的容易に行えると予想され、最終目的である会議の場面から、誰が誰についてどういう状況内評価をしていたかを自動的に収集するシステムの達成は可能と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、要素技術の精度を上げるためのプログラム開発費用、および、実験機材の費用として用いる。また、共同研究先とこれまで以上に密に連携をとるための旅費、および、研究成果の発表のための旅費も必要である。
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Research Products
(17 results)
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[Book] ミネルヴァ書房2012
Author(s)
永岡慶三、植野真臣、山内祐平 編著
Total Pages
224
Publisher
教育工学における学習評価 4.2相互評価
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