2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650567
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
土井 範子 東邦大学, 医学部, 助教 (00246729)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 採血 / シミュレーター作成 / 漏出防止 / 手技教育 |
Research Abstract |
24年度は、採血用シミュレーターの疑似血管の作成が課題であった。人に近い穿刺感覚をもつ柔軟な素材で引き張り強度による耐久性をもち、穿刺による疑似血液の漏出に対する耐久性の強化のための素材の選定を行っている。ベース素材としては、シリコン樹脂を基本として試験を行った。数社のシリコン樹脂を取り寄せ硬化させて卓上試験機FGS-TVにによる破裂試験、荷重検出試験をおこなった。柔軟性の高い樹脂は、荷重試験に対して人に近いDATAを示したが、耐久性の引き裂き強度が弱い傾向にあり、目的の適合性を欠いた結果となった。また穿刺による漏出に対しての耐久性を上げる目的で、樹脂に添加した高分子吸収ポリマー(SAP)実験では、住友精化の協力により3種のSAPを試験することが可能となった。穿刺による耐久性を上げるためには、高濃度比率の添加を必要とすることがわかり、対応した添加濃度では、荷重検出試験に対し、柔軟性が低下し、引き裂き強度に弱化が見られることが分かった。また、SAPとシリコン樹脂単体の硬度の種類の組み合わせによって、穿刺回数による疑似血液漏出に影響が大きいことが分かった。 今回、疑似血管の鋳型を注文する費用の捻出が困難となったため、自作の鋳型を作成を試みた。予定外の工程であったため、試作を重ね易熱性樹脂により鋳型作成した。完成度は低いものの疑似血管の形状を作成することができた。 SAP添加樹脂の疑似血管を作成し、採血針による穿刺回数と漏出耐久性の実験では、7-10%含有のものが漏出耐久性に優れることが分かったが、時間の経過で給水される樹脂の膨張で、内腔が塞栓を作ることがわかり、内皮膜の樹脂単体に外層にSAP含有樹脂の疑似血管二重構造を作成し、ほぼ良好な耐久性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、鋳型作成に時間を割いたため、疑似血管形状の作成法の確立に時間が必要であった。疑似血管の形状作成までは進行しているが、シミュレーター全体の形状作成までは達成されていない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は現在までの達成度で述べたように、計画に若干の遅れが生じている。 シミュレーターとしての形状の作成を行うためには、試作の疑似血管を形状作成の試作に利用するため、試験本数以上に必要であり(均一な量産化には至っていないため)、まずは疑似血管の試験可能な量の作成をする。またシミュレーター用に形状試作し、試作シミュレーターと既存のシミュレーターでの耐久性のテスト、および採血経験者による使用感に関するアンケートを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度に形状作成に使用する予定であった費用等を25年度に繰越した。作成方法が確定した疑似血管の試作法で、疑似血管を作成するための費用と、シミュレーターとしての形状に作成するまでの費用、アンケートを行うための費用、学会参加費用などに利用予定である。
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