2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650567
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
土井 範子 東邦大学, 医学部, 助教 (00246729)
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Keywords | 医学教育 / シミュレータ / 採血 |
Research Abstract |
目的は、医学教育における採血シミュレータの開発と評価である。 昨年度、疑似血管の漏出防止について検討し樹脂特性と高分子吸収ポリマーの使用で漏出を防止の改善を確認した。25年度は、採血用シミュレータの人腕型に形成し、作成したシミュレータと既存のシミュレータとの使用感のアンケートを実施した。 腕型シミュレータの作成:人骨格モデルに筋肉層としてシリコン樹脂+ウレタンスポンジを巻きつけたものに、漏出防止機能を持つ疑似血管を這わせ、その上に表皮層に相当するのシリコンカバー(厚み1-2mm)をかぶせた。筋肉層に、2mm押し込みに対する反発力1~2×10-1MPa程度、表皮層に2.5×10-1MPa程度のシリコンを用いた。表皮カバーは上腕から指先まで一体構造で皮膚様のしわを表現した。疑似血を供給するゴム管は筋肉層の内側を走行させ、手首で分岐し表層を這わせた。腕の内部構造は不完全充填のため、穿刺ミスは空気が入る構造である。 製品アンケート:既存と作成シミュレータの皮膚の質感、穿刺感覚、製品としての使用感について、研修医(22人)、学生(29人)の協力を得て比較アンケートを行った。既存品には装着タイプ2製品、一体型1製品を用いた。人へ穿刺機会の多い研修医と機会の少ない学生からの評価は、見た目や皮膚の質感、単純な難易度を評価する学生に対し、穿刺感覚や血管の走行、皮下層の厚みを踏まえた穿刺の難易度を評価をする研修医の意見に差異が示された。特に研修医からは、皮膚や穿刺の現実性に厳しい評価を受けても、練習用の使用の評価には影響は少なかった。今回作成したシミュレータは、研修医からの皮膚感覚や穿刺感覚は高評価を受けたが、練習用の評価は他と差異がなく、利用不可や我慢して利用可能と評価した研修医からは空気流入の指摘があり、現実的でないことが評価を下げたと考察された。 今後、内部構造の充填改良が必要である。
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Research Products
(1 results)