2013 Fiscal Year Annual Research Report
応力を可視化する構造教育用ツールおよび研究用ツールの開発
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24650573
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
服部 宏己 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 教授 (50510476)
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Keywords | 建築構造設計 / 教育 / 模型実験ツール / 応力発光材料 / 可視化 |
Research Abstract |
近年、建物の安全性に対する社会的要求が高まっている中で、高等教育機関においては、建築構造の知識を十分に理解した多くの学生を育成することが不可欠となっている。一方で、全国的な学生の質的低下や理系離れなどにより、建築構造を不得意とする学生は増加する傾向にあり、建築構造分野の教育の改善が急務であるものと考えられる。これらの背景の中で、建築構造に関する教育が専門性や理解度などの点で十分になされているとは言い難いものと思われる。 以上のことから、建築構造に関する専門性の高い知識を習得するための新たな教育方法を提案し、地域社会の安全・安心なまちづくりに広く貢献できる学生をより多く輩出することを目的として一連の研究を行った。 本研究では、まず、構造教育に関するこれまでの研究を概括し、次いで、アンケートの実施により短期大学の学生の意識調査を行った。これらの結果に基づき、新たな建築構造教育支援ツールを提案するとともに模型実験ツールを試作し、その有効性について考察した。 本研究で得られた知見を以下にまとめる。1) 建築構造教育に関する既往の研究を概括するとともに、短期大学の学生を対象としたアンケート調査を実施した。得られた結果から新たな建築構造教育支援ツールの概念図を示し、その中の応力発光材料を用いた可視化実験ツールを試作した。2) 応力発光材料を用いた試験体では、圧縮載荷時の発光量の階調値と最大応力度の関係は直線的に表され、応力速度が大きいほど両者の関係の勾配は大きくなる。この結果から、可視化実験ツールに応力発光材料の適用が可能であると言える。3) 応力発光材料を用いた単純梁の曲げ実験結果から、理論から求められる応力度と発光画像の明るさが概ね一致しており、試作した試験体は、可視化実験ツールとして使用することが可能であることを示した。
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Research Products
(2 results)