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2012 Fiscal Year Research-status Report

文化財美術品搬送における振動および温湿度環境の調査

Research Project

Project/Area Number 24650600
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionKashihara Archaeological Institute , Nara prefecture

Principal Investigator

西藤 清秀  奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 副所長 (80250372)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords文化財 / 振動 / 博物館
Research Abstract

本研究は、文化財・美術品の搬送時の梱包箱内を含めたあらゆる局面で生じる微振動や温湿度を記録することにより、微振動・温湿度の文化財への影響を考え、その影響の程度を探る。この研究は、文化財・美術品の搬送時の搬送手段や梱包の微振動・温湿度の問題点を抽出するのが目的であり、今後の文化財・美術品の搬送に大いなる貢献できる。そしてこの研究は、文化財・美術品の国内搬送だけを考えるのではなく、時に応じ航空機を使用した海外からや海外への文化財・美術搬送も試みる。
2014年度、TBSが主催し、2ヶ年にわたって開催される「インカ展」の展示品移送に際して展示品梱包箱に振動計および温室度計を設置し、どのような振動が移送時に生じるかを記録することから開始した。さらにその際梱包箱の内部の温室度の記録もおこなっている。
今年度は、国立科学博物館における「インカ展」の閉幕後に振動計・温室度計を設置し、仙台市博物館にて回収・設置、山梨県考古博物館にて回収・設置、静岡県立美術館にて設置・回収、富山県民会館美術館にて回収までおこなった。上記展覧会会場への移送はすべて車両による陸送であった。
今回の計測した記録の詳細な分析は、まだ十分にはおこなっていないが、陸送時における道路路面環境は如実に振動に反映することが判明した。特に東北ー東京間の移送に対しては、東日本大震災による道路路面環境の悪化と見られる振動に反応が計測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、「インカ展」の全国巡回展に合わせて、展示品の移送時に振動計を設置している。巡回期間が2ヶ年にわたるが、今年3月で1年が経過し、残すところあと1年となった。これまで東日本を中心に展覧会は5箇所で開催され、その展示品の移送に振動計を設置し、陸上移送時の振動を計測している。それゆえデータは、着実に蓄積している。これらのデータの解析でも文化財移送時における振動についての問題点は十分に指摘することはできるが、これまでこの種のデータ計測はほとんどなく、そのためより多くのデータ収集が必要である。そのため、この1年にわたって実施してきた計測をさらに継続し、データ収集に務める。それゆえに、現段階でのこの研究の達成度は、道半ばと言った感がある。この研究は、3ヶ年を計画しており、今後2ヶ年をもってより充実した研究へと高めていきたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、「インカ展」の2年目に当たり、京都、福岡、鹿児島、沖縄において展覧会が開催される予定である。その後、東京に搬送され、2014年2月中旬にペルーに返却される予定である。そのためこの展覧会の全行程に温室度計測可能な振動計を展覧会から展覧会への展示物の移送に携行させる。それにより、インカ展の全行程の振動および温室度を計測できることになる。その中でも鹿児島から沖縄へは船が移送にしようされることになっており、新たな振動記録を計測できる。また沖縄から東京、さらにペルーへの移送は航空機が使用されるが、この航空機による移送が、文化財・美術品移送の中で最も振動を生じる可能性が従来より考えられている。特に航空機の飛行中に問題があるわけでは無く、空港内での移送が問題となっている。それゆえ、今回の計測では那覇空港、羽田空港、成田空港、アムステルダム空港、リマ空港での空港内移送の計測ができるため、そのデータ価値は高いと思われる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

2013年度の経費については2012年度と同様に振動計の計器調整と「インカ展」が開催される博物館および美術館への旅費が主な経費である。特に今年度は福岡市博物館、鹿児島県歴史資料センター黎明館、沖縄県立博物館・美術館で開催され、沖縄での閉幕後は東京に移送される。その後、2月中旬にペルーに返却される。そのため、今年度の旅費は計器の福岡での回収・設置の2回、鹿児島での回収・設置の2回、沖縄での回収・設置の2回、東京での回収・設置の2回とペルーでの計器回収に対して必要となる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 奈良・西安往復路における文化財移送時の振動測定2012

    • Author(s)
      西藤清秀・谷本親伯・橋本裕行・菅谷文則・藤田行茂・吉仲勉
    • Journal Title

      日本文化財科学会第29回大会研究発表要旨集

      Volume: 第29回 Pages: 78-79

  • [Presentation] 奈良・西安往復路における文化財移送時の振動測定

    • Author(s)
      西藤清秀・谷本親伯・橋本裕行・菅谷文則・藤田行茂・吉仲勉
    • Organizer
      第29回日本文化財科学会
    • Place of Presentation
      京都大学
  • [Book] 「Japanese Archaeological Museum」『 Encyclopedia of Global Archaeology』2013

    • Author(s)
      Saito, Kiyohide:C. Smith(ed.)
    • Total Pages
      未
    • Publisher
      Springer

URL: 

Published: 2014-07-24  

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