2013 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報技術が人間の空間認知と空間的思考に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
24650604
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
若林 芳樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70191723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 真 静岡大学, 教育学部, 教授 (30210032)
石川 徹 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (70436583)
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Keywords | 空間的思考 / 空間認知 / GIS / 地図 / 地理教育 / 地理情報技術 |
Research Abstract |
本研究課題の3つのサブテーマについて,平成25年度に行った研究の成果は以下の通りである。 (1)学校教育での地図指導におけるGISの効果: 前年度に引き続き、大学入試問題における地図を用いた設問をとりあげ、解答過程の質的・量的分析を行った結果、地図の読図過程は設問によって異なり、必要となる能力が低次の認知的スキルから高次の推論に至るまで多様性があることが判明した。また、中等教育レベルでの空間的思考のための地図指導の教材を作成し,高等学校の現場でその効果を検証した。 (2)日常の空間移動における地理情報技術の効果: 日常生活での地理情報技術の効果を測るために、空間的思考力との基礎となる空間的能力との関連性を検討した。その結果、空間的思考力には多様な側面があり、必ずしも空間的能力と相関するわけではないことが明らかになった。このため、地理情報技術が空間的思考に及ぼす効果も限定的であるといえる。 (3)学校教育と日常生活での空間的思考に対する地理情報技術の効果と相互の関連性: 地理情報技術が空間的思考に与える効果を測るために空間的思考力テストを作成し、日常生活での経験と関連性を検討した。用いたテストは、学校教育の効果を試すための空間的課題(STAT-J)と、空間的能力に関する自己診断(SESS)の2種類である。これらを大学生に適用し、日常生活での空間的スキルや経験との関連性を検討したところ、日常的な地図利用や旅行経験、野外活動などが空間的思考力を高めるのに効果的であることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)