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2012 Fiscal Year Research-status Report

水質悪化時期を含む近過去の環境復元手法の開発

Research Project

Project/Area Number 24650605
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionThe University of Shiga Prefecture

Principal Investigator

倉茂 好匡  滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (20241383)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 丸尾 雅啓  滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80275156)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords古環境復元 / 近過去 / 水質
Research Abstract

本研究は、かつて水質が悪化していた時期からそれが改善して以降まで(現在から過去30年前まで程度)の堆積物が集積している水塊に着目する。そして、堆積物中に残存している化学物質量を測定し、これから近過去の水質変化を復元しようとするものである。さらに、堆積物中から年層を認めることができるなら、水質変化を年オーダーで復元できる。すなわち、堆積物中から年層を認める方法および堆積物中化学物質から水質を復元する方法の両者を開発しようとするものである。
この条件に合致する場所として、研究対象地を彦根市北川の河口部とした。夏季には水位の高い状態が続き、堆積物試料採取ができなかったが、水位の下がった10月にはこの河床堆積物柱状試料採取に成功した。
柱状試料の縦断面に対し、詳細な観察を行い、柱状図を作成した。そして、申請時の仮説に基づき、代掻き期に流出するであろう微細な堆積物の集積層を発見すべく、堆積物のスミアスライドを作成し、顕微鏡下で観察した。しかし、この手法では微細堆積物集積層を発見するには未だ至っていない。
一方、柱状試料縦断面を22倍ルーペで詳細に観察した結果、葉柄の集積した層準を19層認めた。これに対し、以下のような仮説をたてた。堆積物試料採取地点周辺には落葉樹があり、晩秋には落葉が河床に堆積する。一方、春季から夏季には細粒土砂が堆積するとともに、河床に住む生物等の影響で葉身の主要部は分解される。しかし、葉柄や葉脈は分解されにくく、これは秋季に堆積した層準に取り残される。もしこの仮説が正しければ、この葉柄葉身集積層準を堆積物の年層指標として使用可能となる。
また、堆積物を層別に切り出し、その後の分析に供する準備も完了することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究に遅れが生じている最大の要因は、堆積物柱状試料の採取を2012年10月まで行なえなかったことにある。それまでの間、対象地の水位が高い状態が続き、良好な堆積物試料を安全に採取できる状態になかったためである。
しかし、申請段階の仮説とは異なる手法で堆積物年層を確認する手法を見出しつつあること、および分析用試料の切り出しに終了していることから、研究2年目には水質指標となる分析項目の絞込みなどの成果が得られるものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

北川河口域で採取した堆積物試料に対する化学的分析および粒径分析を強力に進めていく。これとともに、柱状試料中に見られた葉柄葉身集積層準が年層指標になることを検証するための観察・調査を進めていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

堆積物柱状試料の採取が2012年10月にずれこんだため、堆積物試料に対する分析作業が遅滞し、このため当初の見込み額と執行額は異なった。しかし、研究全体の計画に変更を及ぼすことはなく、前年度の研究費も含め、当初予定どおりの執行を進めていく予定である。

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Published: 2014-07-24  

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