2014 Fiscal Year Annual Research Report
「地理の第1法則」を正しく検定する革新的な空間自己相関法の開発
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24650606
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岡部 篤行 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (10114050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 育穂 中央大学, 理工学部, 教授 (00594756)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 空間自己相関 / モランのI指標 / 地理の第1法則 / モンテカルロシミュレーション / 統計検定用数表 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は:①空間自己相関指標であるモランのI指標を使い、正規変数空間ランダム法と組み合わせ空間ランダム法が実際の実証データ分析で使われる各種条件に応じてどの程度に誤った結論を導き出しているかを研究する。②誤った結論を避ける方法を開発する。③その方法を実装して実用的検定方法を提案する。 (1)研究目的①とその成果: 既存文献の実証研究では、空間自己相関を調べるのにモランの 指標が多く利用されている。それを使った統計的検定では、ゾーン数が多い場合、モランの 指標が正規分布に従うということを陽に陰に想定している。しかし、本研究のモンテカルロシミュレーションの結果から、たとえゾーン数が大きい場合でも、モランの 指標が正規分布となることは少ないことが判明した。特に、統計的検定に使用される裾部分において、正規分布を仮定した限界点とモンテカルロシミュレーションから得られる限界点には、ゾーン数が多くても無視できない差があることが分かった。 (2)研究目的②とその成果: 所与のゾーン数に対する、モランの 指標の正確な分布形は、変数が正規分布をする場合、理論的に求められるという研究が既に発表されているが、実際に計算しようとなると数値積分で近似をしなければ実用的求めることができない。また変数が正規分布しない場合の理論式は未だ求められていない。従って実用的代替方法は、コンピュータ性能の進歩を利用し、100,000回のモンテカルロシミュレーションで検定に使う限界点を求める方法が良いとの結論に達した。 (3)研究目的③とその成果: 上記の結論から、実用的にはモンテカルロシミュレーションで検定に使う限界点をパラメトリックに求め、それから検定用の数表を策定し、その数表を使って検定するのが正確かつ実用的な方法であるという提案をおこなった。 以上から分かるように、本研究の当初の目的はすべて達成することができた。
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Research Products
(4 results)