2013 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌悪性化におけるホメオボックス転写因子CDX1の役割の解析
Project/Area Number |
24650619
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
青木 耕史 福井大学, 医学部, 教授 (40402862)
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Keywords | 大腸癌 / 悪性化 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
CDX1とCDX2は、腸管上皮細胞の恒常性の維持に必須のホメオボックス転写因子です。これまでの解析から、CDX2が大腸癌腫瘍形成の初期段階を抑制することなどを報告してきました。 本研究課題の研究により良性の腸腫瘍モデルであるApc変異マウスにCdx1またはCdx1/Cdx2両遺伝子変異を導入したところ、腫瘍上皮細胞が強い浸潤を示す悪性腫瘍に変化することが分かりました。これらの結果から、CDX1/CDX2が大腸癌悪性化の抑制因子であることが遺伝学的に明らかになりました。その機序の解析から、CDX1/CDX2が大腸癌幹細胞に特異的な多くの機能的遺伝子(LGR5, ASCL2等、他多数省略)やマーカー分子(CD44やCD133)の発現を負に制御していることが分かりました。これらの結果から、CDX1/CDX2は大腸癌幹細胞の強力な負の制御因子として働くと考えています。これまでWnt経路やNotch経路が最重要な情報伝達経路として、大腸癌幹細胞を正に支配していると考えられてきました。一方でこれらの解析結果から、CDX1/CDX2は、Wnt経路やNotch経路に拮抗する負の機構が働いていると考えています。
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