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2012 Fiscal Year Research-status Report

ゴルジ体のイノシトールリン脂質により制御される上皮間葉転換機構の解明

Research Project

Project/Area Number 24650621
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

徳田 恵美  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教育研究補佐員 (30598925)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsイノシトールリン脂質 / ゴルジ体
Research Abstract

本研究課題ではゴルジ体に存在するイノシトールリン脂質が、がんの悪性化の際に見られる上皮間葉転換を制御していることおよびその機構を明らかにすることを目的としている。当該年度はゴルジ体のイノシトールリン脂質量の変化と上皮間葉転換の関与について研究を行った。
イノシトールリン脂質のキナーゼやホスファターゼをノックダウンすることによりゴルジ体のイノシトールリン脂質の量を増減させると、それにより細胞間接着、細胞運動能および浸潤能が変化することを明らかにした。
さらに、特定のイノシトールリン脂質と特異的に結合するたんぱく質の結合ドメインのリコンビナントたんぱく質を精製し、そのたんぱく質を蛍光標識したものをプローブとして用いることでゴルジ体のイノシトールリン脂質量を定量する方法を開発した。この方法を用いることで、実際にイノシトールリン脂質のキナーゼやホスファターゼをノックダウンした細胞ではゴルジ体のイノシトールリン脂質の量のみが変化していることを明らかにした。また、実際に上皮間葉転換を起こした乳がん細胞株においてゴルジ体のイノシトールリン脂質の量が変化していることも明らかにした。
以上の結果より、ゴルジ体のイノシトールリン脂質が上皮間葉転換で見られる現象の一部である細胞間接着、細胞運動能および浸潤能を制御していると考えられる。さらに、実際の上皮間葉転換の際にもゴルジ体のイノシトールリン脂質の量変化が起こっていることから、上皮間葉転換の際にゴルジ体のイノシトールリン脂質が重要な役割を担っていることが示唆される。がんの悪性化においてゴルジ体が何らかの役割を担っていると考えられてはいるが詳しいことはわかっておらず、本研究課題によりがんの悪性化におけるゴルジ体の役割が解明されることが期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題では(1)上皮間葉転換がゴルジ体のイノシトールリン脂質の変化によって制御されていること、(2)実際に上皮間葉転換を起こさせたがん細胞においてゴルジ体のイノシトールリン脂質量が変化していること、(3)ゴルジ体のイノシトールリン脂質を介して上皮間葉転換を制御している分子機構の3点を明らかにすることを目的としている。
(1)については細胞間接着の増減を定量的に示すデータが取れていないなど不十分な点はあるものの、おおむね明らかに出来ている。(2)についてはゴルジ体のイノシトールリン脂質の定量方法を確立することが出来、その方法を用いて上皮間葉転換に伴う量変化を示すことが出来ている。(3)については平成25年度に取り組む予定となっている。
以上より、本研究課題はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

今後はゴルジ体のイノシトールリン脂質を介して上皮間葉転換を制御している分子機構の解明を中心に研究を進めていく予定である。ゴルジ体に局在するイノシトールリン脂質結合たんぱく質がいくつか知られているので、それらのうち上皮間葉転換に関与しているたんぱく質がないか検討する。さらに同定出来た際には、上皮間葉転換への関与にイノシトールリン脂質との結合が重要であるか検討する。また、同定したたんぱく質がどのような機構で上皮間葉転換に関与しているかも検討する。
以上により、ゴルジ体のイノシトールリン脂質が上皮間葉転換を制御する分子機構を明らかにする予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究は細胞培養と遺伝子組み換えを主とした分子生物学および生化学実験を中心に行う予定であるので、消耗品としてそれらの器具と試薬の購入に使用する予定である。また、研究成果を学術論文として発表する他に学会でも発表する予定であり、その諸経費に使用する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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