2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞老化におけるアポトーシス抵抗性の分子基盤の解明とその阻害方法の探索
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24650625
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
原 英二 公益財団法人がん研究会, がん研究所がん生物部, 部長 (80263268)
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Keywords | 細胞老化 / アポトーシス / 発がん |
Research Abstract |
細胞老化を起こした老化細胞がアポトーシス抵抗性を示す分子メカニズムの解明とその阻害方法の開発を目指して研究を行い、以下の研究結果を得た。 (1)複数の異なる培養細胞を用いた実験により細胞老化の誘導により共通して発現レベルが上昇する遺伝子群を絞り込んだ。これらの遺伝子群について、老化細胞が蓄積する個体老化の過程でも発現レベルが増加するかについてマウスの組織を用いて検討した結果、個体老化においても発現レベルが上昇する遺伝子が複数存在することが分かった。これらの遺伝子群のうち、アポトーシスに関与している遺伝子を探索するために老化細胞において、それらの遺伝子の発現をsiRNAによりブロックした場合、又は、過剰発現させた場合にアポトーシスを起こすものを探索した。その結果、老化細胞で過剰発現しており、siRNAでノックダウンすることで老化細胞にアポトーシスを誘導する遺伝子を複数単離することに成功した。更にそれら遺伝子の発現を様々ながん細胞で比較検討し、発がんに関与している可能性がある遺伝子であるかどうかについて検討を試みた。 (2)単離した遺伝子の機能をそれらがコードするタンパク質の既知または推定される機能を基にインシリコでパスウェイ解析を行い、遺伝子機能を阻害する可能性がある阻害剤の探索を試みた。また、同時に公的バンクより入手した化合物ライブラリーを用いたスクリーニングシステムを構築するために標的遺伝子を過剰発現させることでアポトーシスに対して抵抗性を示すようになる細胞株の樹立を試み、目的とする細胞株を樹立することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
化合物ライブラリーを用いたスクリーニングシステムの構築を完了するのに予想以上に時間がかかってしまい、スクリーニングを開始した時期が遅れ実験を完了するのが次年度になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立した細胞株を用いて化合物ライブラリーをスクリーニングすると同時に、既に培養細胞において効果があることを確認しているsiRNAによるアポトーシス誘導効果をマウスモデルを用いて評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
化合物ライブラリーを用いたスクリーニングシステムの構築を完了するのに予想以上に時間がかかってしまい、スクリーニングを開始した時期が遅れ実験を完了するのが次年度になったため。 樹立した細胞株を用いて化合物ライブラリーをスクリーニングすると同時に、既に培養細胞において効果があることを確認しているsiRNAによるアポトーシス誘導効果をマウスモデルを用いて評価する。
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