2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650632
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 浩三 東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (60117603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 博昭 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (90563289)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 臨床 / がん幹細胞 |
Research Abstract |
がん患者の予後を決定する、「転移・浸潤」、「経年後の再発」、「薬剤耐性」、「放射線耐性」に深く関わるがん細胞群は、いわゆる「がん幹細胞」として報告されている形質を示す。現在、世界的に同定され利用されている「がん幹細胞マーカー」は、組織特異的蛋白や組織幹細胞を分離するマーカーの流用であり、正常幹細胞とがん幹細胞を区別できない。 我々は研究過程で、正常幹細胞に重要であるPRDM14やKLF2分子が、がん臨床検体で異常発現を呈し、その分子生物学的機序を報告している。本研究課題では、上記の成果を踏まえ、がん幹細胞特異的なマーカーを同定することを目標として研究を推進した。 初年度の研究の結果、上記の我々が解析を進めてきた分子、すなわち幹細胞維持に重要であり、同時に腫瘍の幹細胞性を付与する分子の下流遺伝子産物、miRNA群の同定をほぼ終えており、簡易な検出系で同定できるものを複数含んでいる。さらに、確証を得る目的で、臨床検体を用いて「がん幹細胞マーカー」として臨床利用可能かどうかの評価を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間の研究期間内に、「がん幹細胞特異的なマーカー」を同定し、臨床応用可能かin vitro及びin vivoレベル、並びに臨床検体を用いて評価を行う計画である。現在までに、「がん幹細胞特異的なマーカー」の候補を同定しており、in vitroでの検証をすでに施行済みである。現在、すでに倫理審査を通過した臨床検体の供与を受けており、本年度に「がん幹細胞マーカー」として臨床利用できるかを評価する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の推進方策は、 ①「がん幹細胞特異的なマーカー」の候補の同定を終え、in vitroでの検証をすでに施行済みであるので、in vivoの実験系で評価を行う。 ② 臨床検体を用いて「がん幹細胞マーカー」候補の中より、臨床利用可能なマーカーを絞り込む。 の2点である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記①の目的のために候補遺伝子の導入細胞を用いてxenograftを作成する(動物実験)経費、並びに、②の目的を達成するために、臨床検体を用いたFCM及びcell sorting、遺伝子発現解析(qRT-PCR, Immunoblot)、miRNA発現解析、病理組織検討(免疫組織化学による評価)に係る消耗品に対する経費として計上する。その他、情報発信・収集を目的とした学会参加に係る旅費を計上する。
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