2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工癌幹細胞モデルを用いた癌幹細胞特異的モノクローナル抗体の作製と応用
Project/Area Number |
24650636
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梁 明秀 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20363814)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 細胞 / 再生医学 / 癌 / トランスレーショナルリサーチ / 抗体 |
Research Abstract |
本研究課題では、ヒト不死化上皮細胞から樹立した遺伝子変異の蓄積が極めて少ない人工癌幹細胞(iCSC)を使用して、iCSCを抗原とした癌幹細胞特異的モノクローナル抗体の作製を実施した。癌幹細胞特異的抗体を得るため、WKAHラットの腹腔内にiCSCを直接免疫し、4週間後にラット血清を用いたウエスタンブロットを行ったところ、iCSC特異的なバンドが検出された。その後、ラット脾臓とSP2/0マウスミエローマ細胞を融合し、ハイブリドーマを作製した。これらのハイブリドーマを増幅後、限界希釈法でサブクローン化した。約100クローンのハイブリドーマについてそれらの上清を一次抗体としたフローサイトメトリー解析を行い、iCSC特異的に認識する抗体を産生するハイブリドーマ2クローンを選択することに成功した。また、これらクローンの上清を一次抗体としてiCSCの蛍光免疫染色を行った結果、その抗原タンパク質はiCSCの細胞質および細胞膜において発現していることが確認された。次に抗原タンパク質の同定のため、数千種類の生理活性全長タンパク質を搭載したProtein Active Array解析を実施したところ、当該抗体が原癌遺伝子産物を標的としていることが明らとなった。また、本研究ではin vivo画像解析の第一段階として超免疫不全マウス皮下にホタルルシフェラーゼを定常的に発現させたiCSCを接種し、発光の観察により、生体内での癌幹細胞の増殖を非侵襲的に観察することに成功した。今後の研究では、癌幹細胞を特異的に認識する他の抗体の同定を進めるとともに、これらを活用した新規バイオマーカーの探索、診断法・治療法の開発を進めていく予定である。
|
Research Products
(4 results)