2012 Fiscal Year Research-status Report
HSP72を標的としたエキソソーム単離法の評価と腫瘍マーカーの探索への応用
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24650637
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩田 正之 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30381990)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | プロテオーム解析 / エキソソーム / 熱ショックタンパク質 |
Research Abstract |
癌細胞由来のエキソソーム小胞は複数の腫瘍免疫関連分子を内包しており、腫瘍マーカー探索の標的となりうる。Heat Shock Protein 72 (HSP72)は、エキソソームマーカーの一つとして報告されており、近年、エキソソーム膜表面での発現が報告されている。したがって申請者の開発したHSP72結合分子の包括的な単離・解析手法はエキソソーム単離法になりうる可能性がある。そこで、本法のエキソソーム単離法としての妥当性を評価し、多発性骨髄腫腫瘍マーカーの探索を試みた。 HSP72複合体を単離するNHqビーズを使用して肺がん細胞、およびマクロファージの培養上清中のHSP72複合体分子を単離・同定した結果、エキソソームで認められる膜タンパク質や骨格タンパク質、核内タンパク質を複数認めた。一方で、両細胞の培養上清を用いて超遠心法にてエキソソームの単離を行った。ウエスタンブロット、質量分析にてHSP72の発現を評価したがHSP72は見いだせなかった。そこで、超遠心法とNHq法を順番を変えて組み合わせることで、HSP72およびエキソソームマーカータンパク質を追跡し、NHq法でエキソソームが単離可能か評価した。その結果、従来の報告に反して単離したエキソソームにはHSP72の発現を認めず、NHqではエキソソームは単離できないという結果が得られた。 一方で、NHq法にて多発性骨髄腫細胞の培養液および多発性骨髄腫患者血清を対象に解析した結果、82種類のタンパク質を同定した。これらにはエキソソームマーカー分子が複数含まれていたが、他の実験結果と総合して考えると、NHqがエキソソームを単離している訳ではないと結論付けた。しかし、培養細胞上清と患者血清の両者で共通して同定される分子が4つあり、多発性骨髄腫腫瘍マーカーになりうる可能性が強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結果は陰性であったが、当初の計画通り、NHqを用いてエキソソームの単離が可能か評価した(課題1)。一方でNHqを用いて多発性骨髄腫腫瘍マーカーの探索(課題2)を行い、エキソソーム由来かは別として腫瘍マーカー候補分子を挙げた。特許申請まで至っている点で、「研究の目的」を十分達成していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
NHq法によるエキソソーム単離に関しては難しいが血中の微量タンパク質を単離できることは証明できたことから、課題2を継続して行う。当初予定したLC/MS/MSによるMultiple Reaction Monitoring(MRM)法は機械の不具合の問題もあり、定量性試験の方法は流動的に対応する。これまでに同定した多発性骨髄腫腫瘍マーカー候補分子の妥当性を評価する一方で、再度NHq法を用いたスクリーニングを行うことでその他のマーカー候補分子を選抜する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続きタンパク質精製や培養に係る物品費にその大半を支出する。一部、質量分析は他施設に委託することからそのための輸送費や成果報告のための旅費を計上した。
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Research Products
(11 results)