2012 Fiscal Year Research-status Report
雪氷表面から放出される気体・粒子の測定と放出メカニズムの解明
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24651015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹中 規訓 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70236488)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 窒素酸化物 / 亜硝酸ガス / 大気雪氷物質交換 / 光分解 / 氷化学 / 南極 / 硝酸イオン / 雪氷コア |
Research Abstract |
24年度は0℃以下の低温で測定できる亜硝酸ガス測定器の開発を目指した。従来の亜硝酸測定器は、亜硝酸ガスの吸収液に超純水を用いているため、0℃以下の寒冷地では凍結する可能性がある。また、気液分離部分の調整が非常に煩雑で熟練を要するため、南極のような寒冷地で装置を正常に動作させるには非常に困難が予想される。そこで、亜硝酸ガスを吸収液に吸収させる部分を、湿式オゾン計に用いられていた向流管と呼ばれるものを改良した。さらに吸収液をエタノール20%の水溶液とした。これは南極昭和基地の夏季の平均気温の氷点下で凍結しない組成である。しかし、向流管では二酸化窒素の影響を無視することができないため、この向流管を2本接続することで二酸化窒素の妨害を差し引く方法に改良した。さらに、本装置の動作確認を大学で行った後、雪の積もる山岳地帯に持ち込み、南極昭和基地の夏季と同程度の気温の中、正常に作動することを確認した。 海氷の生成融解に伴う塩の挙動解析については、低温恒温槽を購入し、実験を行ったが、安定した氷を作製することができず、現在、凍結装置の改良に取り組んでいる。二酸化窒素および一酸化窒素の吸収法については、トリエタノールアミンおよびPTIOと呼ばれる酸化剤+トリエタノールアミンを塗布したデニューダーにより、それぞれ二酸化窒素が90%、一酸化窒素が50%吸収できることがわかった。しかし、ばらつきが大きく、信頼できる測定法には至っていない。硝酸ガスや塩化水素ガスは、亜硝酸計でこれらの気体は100%吸収されているのでイオンクロマトグラフィーでは、測定できているが、この方法では連続観測ができないため、その検出法を現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
0℃以下の低温で測定できる亜硝酸計の開発については、測定できる装置は完成した。しかし、感度が現在数十pptvであり、南極での調査には、さらにもう一ケタの感度が必要である。一酸化窒素や二酸化窒素のデニューダーによる測定は、一酸化窒素の酸化効率を上げる必要がある。硝酸ガス、塩化水素ガスについては、バッチ式では測定できているが、連続測定はできていない。海氷の生成・融解に伴う塩の挙動解析については、全くできていない。反応装置の開発から考え直す必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、雪氷内の硝酸イオンの動態研究を中心に行う。これは、雪氷中の硝酸イオンが、雪氷中から消失しているという観測事実を科学的に説明するための研究で、大気雪氷間の物質動態の非常に重要なテーマである。可能性は2つある。水蒸気と共に硝酸ガスが気相に揮散、もしくは光分解により、一酸化窒素、二酸化窒素、亜硝酸ガスとなり揮散の2つである。この研究のために1年目の装置開発が必要であった。現状では感度が低い、連続で測定できないなど問題はあるが実験室実験では濃度を高くできるため、どのようなプロセスが重要であるかを堪忍することができる。この実験と並行して、測定法の改良を進めていく予定である。また、この実験が可能となれば、海氷の生成・融解に伴う塩の挙動調査の装置のヒントが生まれると考えられるため、上記の研究を中心に進めていくよていである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、実験室実験が中心であり、ほぼ実験消耗品と少額の備品の購入が必要である。冬季には北海道の天塩の低温で気象条件の非常に厳しい場所で、種々の気体の測定装置の動作確認を行う予定であり、その出張旅費が必要である。平成26年度は、申請時当初の計画では日本の冬季に南極観測船にのり夏隊として南極におもむき調査をするとしており、予算のほとんどその調査に用いる予定である。
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Research Products
(7 results)