2015 Fiscal Year Annual Research Report
無人観測システムによる南極大陸沿岸域の海氷変動機構の解明
Project/Area Number |
24651016
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
牛尾 収輝 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (50211769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海洋科学 / 環境変動 / 極地 / 南極 / 海氷 |
Outline of Annual Research Achievements |
試作した無人観測システムの改良点や将来の開発・研究に向けた計画の具体化について、連携研究者および研究協力者と検討した。特に過酷な自然環境条件下で稼働させるシステムであることから、海氷変動研究の上で有益な計測データを厳選して安定的に取得可能で、システム稼働のための電源を十分に供給できるようにする観点で意見・情報交換した(この検討のために国内出張旅費を支出した)。 現地観測データから海氷成長・融解過程を把握するための無人観測システム開発に当たって、海氷および積雪層内部の鉛直温度分布を連続計測する手法の改良も進めた。温度センサ・ロガーを本システムに組み込むことによって、計測の予備機能の有効性を調べた。その結果、温度測定の精度・分解能やデータの収録容量の点において要件を満たすことを確認した。この予備的な計測機能を安定稼働させることもシステム改良のための検討課題に加えた(温度センサ・ロガー購入のために物品費を支出した)。 無人観測システムによる取得データを迅速処理することは、野外調査にもとづく海氷研究を進める上で不可欠である。そこで、データ処理手順の構築に向けて、データ回収以降の各種計算や作図等の自動処理の基本設計を検討した。この検討・作業過程では、仮想データを入力して処理過程を確認するため、データ処理・解析ソフトウェアを用いた(ソフトウェア購入のために物品費を支出した)。 また、最近の南極大陸沿岸域の海氷変動特性を理解することも、本課題を進める上で参考になることから、昭和基地周辺の海氷状況を継続的に監視した。この結果も含めて将来の海氷変動監視の要点や無人観測網の展開方針を検討した。基地付近に加えて、北方(沖合)および南方(大陸近傍)にも観測点を設けることの重要性を見出した。 これら最終年度で得た知見を含めて、本課題で得た成果を国内の学会、シンポジウムで発表した。
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[Journal Article] Interannual variability in sea-ice thickness in the pack-ice zone off Lutzow-Holm Bay, East Antarctica2016
Author(s)
Sugimoto, F., T. Tamura, H. Shimoda, S. Uto, D. Shimizu, K. Tateyama, S. Hoshino, T. Ozeki, Y. Fukamachi, S. Ushio, and K. I. Ohshima
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Journal Title
Polar Science
Volume: 10
Pages: 43-51
DOI
Peer Reviewed
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