2013 Fiscal Year Annual Research Report
機能的光断層画像法による植物の無侵襲環境ストレスモニタ法の開発
Project/Area Number |
24651023
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
門野 博史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70204518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 研究員 (40425658)
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Keywords | 光断層画像法 / オゾンストレス / バイオスペックル / 植物活性 / 環境ストレス / 環境汚染 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
本研究ではOCT(Optical Choherence Tomography)と呼ばれる光断層画像法およびバイオスペックルと呼ばれる生体内部の物質の輸送や微細構造の変化を反映している動的な光散乱現象に基づいて新規な機能的断層画像観測システムを構築した。これら2つの技術を組み合わせることにより、細胞の活性状態をを3次元的に高感度に観測可能なシステムを構築し、環境条件に敏感に反応する植物体の部位の観測を行った。このシステムを用いて、オゾンなどの環境ストレス下の植物に対して、環境汚染影響評価手法としての可能性を検討した。 従来法による断層画像化では120ppbで3時間の極短期間のオゾン暴露による影響はほとんど観測されないが、バイオスペックル信号の変動(標準偏差)に基づいた画像化では表皮組織に大きな影響が観測された。また、葉の表面と裏面では裏面の方が大きく影響を受けることが分かった。 H25年度は、バイオスペックル信号の新たな解析法として、OCT画像の各点において時間軸方向に自己相関関数を求めその相関時間を解析した。このために、サンプリング周波数を高めるためのソフトウェアの改良を行い、25KHzでのサンプリングを達成した。このシステムを用いて、ニラを試料としてオゾン暴露実験を行った結果、表皮組織においては相関時間の増加すなわちバイオスペックル活性の低下傾向が見られた。一方、柵状組織においては活性の増加すなわち時間変動の高速化が有意な差として観測された。興味深い点は、前述した時間信号の変動の大きさに基づく解析では、柵状組織ではオゾン暴露に対する変化はほとんど観測されなかった点である。 本研究ではバイオスペックル信号に基づいて植物の機能構造を可視化する異なる2つの処理法を提案し、それぞれ独立な情報が得られることを実験により確かめた。
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Research Products
(5 results)