2013 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境が花粉の2次飛散と体内侵入に与える影響に関して
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24651030
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
中根 一朗 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (30221451)
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Keywords | 花粉症 / 空中花粉 / 花粉の再浮遊 / 花粉曝露 / 都市キャノピー層 / 大気流動 / 固気二相流 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
通常,花粉数の計測は通風の良いビルの屋上等にて行われており,都市キャノピー層上縁を飛散している花粉数が計測されている.しかしながら,我々が日常多く生活しているのは都市キャノピー層内底面付近であり,上縁付近の花粉飛散とは状況の異なる可能生がある.特に,都市化(路面舗装,高層ビル等)は,都市キャノピー層内の大気流動を閉じた状態にし,しかも同層内での極局所での気流輸送を活発にしている可能生がある.従って,地表面あるいは都市キャノピー層中間領域の屋根等に落下した花粉の再浮遊(2次飛散)の促進と,同層内底面近傍での停留的な再循環が予測され,これが花粉曝露に影響していることが懸念される. そこで,まず,花粉の2次飛散の影響を明確にするため,都市キャノピー層内における高度毎の花粉量と風向・風速を計測することとした.そこで,高さ16m強の10階建て計測用タワーを建て,このタワー内に8台のダーラム型花粉捕集器と4台の風向・風速計を設置した.そしてこの計測から,都市キャノピー層外縁上空と底面近傍でスギ花粉飛散が活発であること,つまり,再浮遊の影響のあることと,花粉飛散と風速との間に強相関のあることを明らかにした. 次に,再浮遊する花粉による曝露を予測するため,花粉の再浮遊挙動を予測する数理モデルの作製と,これを用いたシミュレーション結果を評価するための実験を滑面・粗面境界層,ステップ流,角柱後流の各場合で実施した.なお,現在,計算・計測結果の比較により滑面境界層では良好な予測結果を得ている. さらに,人体に侵入する花粉量を予測する手法をブラッシュアップするため,特に境界適合曲線座標系生成手法の改良を行った.内容としては,複雑形状物体(人体)に対して直交する境界適合曲線座標系を生成する手法と3次元スキャナーを用いた自動3次元格子生成であり,現在,境界適合直交座標系においては良好な結果を得ている.
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