2013 Fiscal Year Research-status Report
パッシブサンプラーによる水圏環境中放射性核種の迅速・高精度モニタリング手法の確立
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24651033
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀田 豊 千葉工業大学, 工学部, 助教 (60397081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 和典 日本大学, 工学部, 准教授 (30292519)
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Keywords | 放射性セシウム / パッシブサンプラー / 河川水 / 湖沼水 / 分析方法 |
Research Abstract |
パッシブサンプリングによる河川、湖沼水中溶存態放射性セシウム分析方法を完成させた。本手法は、セシウムを選択的に吸着するディスクを調査地点水域に1ヶ月間程度、浸漬放置することで、ディスクへ溶存態放射性セシウムをオンサイト濃縮させる。一か月後、ディスクを回収し、ディスクの放射性セシウム放射能を測定する。この放射能を設置期間、あらかじめ室内実験で明らかにしたサンプリングレートで徐することで、設置期間中の河川、湖沼水中時間加重平均放射性セシウム放射能を計算することができる。なお、サンプリングレートは設置場所の流速や水温の影響を受け、設置場所ごとに異なるため、前もってディスクにPerformance Reference compoundを添加し、パッシブサンプラー回収時の回収率で補正する必要がある。 本研究では確立した本手法の精度をグラブサンプリングと比較して、グラブサンプリングの時間加重平均値と大きく変わらないことを確認するとともに、数mBq/Lレベルの低放射能まで測定できることを確認した。さらに、関東地方の主要河川でモニタリングを行い、河川水中の放射性セシウム放射能の分布を明らかにした。加えて手賀沼流域にパッシブサンプラーを複数設置することで、手賀沼流域における溶存態放射性セシウムのソースや河川を経由した手賀沼への負荷量推定、土地利用別流出原単位の推定を行っている。また、福島県の湖沼にて、湖沼水中の放射性セシウムの3次元分布推定も行い、結果を学会等で報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
パッシブサンプラーによる分析方法が確立されるとともに、さらにその分析方法を用いたモニタリング手法の開発にまで至っている。論文、国内外での報告もすでに行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
パッシブサンプリングを応用した、放射性セシウムの水環境中挙動の解明を行い、放射性セシウムの除染や水域に生息する水生生物中の放射性セシウム放射能のシミュレーション開発を目指す。また、パッシブサンプリングのさらなる高性能化を目指す。
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Research Products
(9 results)