2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国の半乾燥地域の都市と農村における水資源の配分と効率的利用に関する研究
Project/Area Number |
24651038
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北川 秀樹 龍谷大学, その他部局等, 教授 (60360252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 順平 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90195503)
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Keywords | 水資源政策 / 農村水利 / 水価格 / 水権取引 / 効率的利用 |
Research Abstract |
・平成24年度 研究代表者らは8月に西安で、西北部の水資源政策に詳しい研究者、陝西省政府水利部門の関係者らと座談会を開催し、黄河、渭河の水配分、水権論争について紹介を受け、意見交換した。「水流」を国家所有とすることから生まれる水資源に対する特有の権利構造について考察した。また、3月に中国側研究協力者の案内により石羊河流域と黒河流域を視察調査した。武威市の石羊河流域管理局において説明を受け、農村部を視察した。両流域では水資源の8割以上を農業用水に利用している。水量コントロール、有償制度、井戸の閉鎖、専用送水管の建設、ビニルハウスの点滴灌漑による節水型作物への転換、生態移民などの政策を実施するほか、井水のメータでの水量管理や、水票制度の実施など厳格な管理を行っていることを確認した。また、黒河流域の張掖市水務局で流域の水資源対策について説明を受け、農村部を視察し、水価決定方法、農民用水者協会、節水型ハウス栽培、水票交付、水権取引の現状と課題を現地関係者らへのインタビューを通じて把握した。水権取引は規模が小さすぎるため実施されていないことを確認した。 ・平成25年度 前年度の成果を受け継ぎ、研究代表者らは9月に新郷の黄河流域農村水利研究センターを訪問、農村の灌漑水利、水利関係組織、水費等について意見交換した。この後、寧夏回族自治区に移動し、寧夏農林科学院の案内で、平羅県、賀蘭県の農民用水者協会を訪問し、灌漑、節水政策について現地関係者にインタビューを行った。2月に、本研究の集大成として京都で中国農村水利研究会を開催、長崎県立大学の祁建民教授、アジア経済研究書の山田七絵研究員らから報告を受け、西北部・半乾燥地の農村水利政策、慣習との耕作等について討議した。 研究期間全体を通じて、少なくとも陝西、寧夏、甘粛では現在まで継承されている古来からの水利用の慣習を確認することはできなかった。
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Research Products
(12 results)