2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマーをモデルとした途上国の水銀環境汚染改善モジュールの構築
Project/Area Number |
24651041
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大澤 崇人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究員 (70414589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
初川 雄一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究員 (40343917)
大澤 清二 大妻女子大学, 付置研究所, 教授 (50114046)
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Keywords | ミャンマー / 小規模金採鉱 / 水銀環境汚染 |
Research Abstract |
ミャンマーで行われている金の小規模採鉱の実態調査を行うべく、チャイトー郊外とエーヤワディー河の中流域の調査を行った。エーヤワディー河流域の調査ではチャーターボートで寝泊まりしつつ河川を遡上し、各地で金の採鉱現場を確認できた。また各地での河川水や河川砂の採取、採鉱者の髪の毛を採取し、これらは帰国後に水銀に供した。またサガイン州の金採鉱労働者やその家族の髪の毛を入手した。これにより、これまでほとんど報告がなく謎のベールに包まれていたミャンマー金採鉱の実態を明らかにした。本年度の調査で明らかになった事実は数多いが、特に重要な事実は、ミャンマーでの金採鉱には複数の採鉱形態が見られるものの、いずれの場合であっても例外なく水銀アマルガム法で金を採取している点である。そしてもうひとつの重要な事実は、各地の河川水が有意に高い水銀濃度を示しており、採鉱者の髪の毛に60ppmを超える高濃度の水銀が含有しているケースもある点である。水銀による健康被害を引き起こす可能性のある最も危険な作業はアマルガムの加熱作業であるが、この作業が多くの場合厨房で行われていることも判明した。 本研究ではこれまで報告がなかったミャンマー小規模金採鉱の極めて有意義な情報を得られたと言える。
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