2013 Fiscal Year Annual Research Report
損傷修復におけるCenpーAとHJURPの機能解析
Project/Area Number |
24651047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 智裕 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80212223)
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Keywords | Cenp-A / クロマチン / プロテアソーム |
Research Abstract |
初年度(H24)は、分裂酵母モデル系において、Cenp-Aの高発現により生育遅延を起こすもの、あるいはゲノム損傷誘発剤に高感受性を示すものを単離し、一部はその変異部位も同定できた。大変興味深いことに、そのような変異の一つはプロテアソームのサブユニットの一つ であるRpt3タンパク質をコードし、この変異体では、セントロメアへのCenp-Aの取込みが亢進することを見出した。Rpt3を含むタンパク質複合体がヒストンシャペロン様の活性を発揮し、セントロメアにおけるCenp-Aの量を調節していると推測する。このような活性は、損傷部位において修復が完了した後、Cenp-Aを取り除く際にも必要であると示唆される。またヒト培養細胞において損傷部位にCenp-Aの取込みが起こることも確認できた。しかしながら、この現象はCenp-Aを高発現したときのみに起こる可能性がある。ヒト培養細胞系では、生理的条件下でCenp-Aの核内分布を観察することは困難であるので、分裂酵母系を用いるべく、アッセイ系を構築した。次年度は、H24に見出したプロテアソームのサブユニットの一つであるRpt3タンパク質を含むタンパク質複合体について、さらなる詳細な解析を行い、次の結果を得た;1)この複合体は、クロマチンに過剰に取り込まれたCenp-Aを排除することが主な機能であり、2)この活性は、通常のプロテアソームが有するタンパク質分解活性には被依存的であり、3)この複合体がCenp-Aの排除するためには、核膜に局在することが必要である。以上の結果は、Nature Communications (4月上旬発表)に掲載予定である。
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