2013 Fiscal Year Research-status Report
放射性ヨウ素による内部被ばく影響の分子イメージングによる解析・評価
Project/Area Number |
24651050
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 尚樹 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (00304973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 崇 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (20330300)
吉田 正博 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教 (50264247)
中山 守雄 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60164373)
井原 誠 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (60175213)
岡市 協生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (80124874)
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Keywords | 内部被ばく / 放射性ヨウ素 / 分子イメージング / 福島原発事故 |
Research Abstract |
平成25年度は、I-131の体内取り込みによる内部被ばくの線量とその影響の関係を、ガラスチップによる放射線測定技術と分子イメージング技術を用いてリアルタイムに検出することを試みた。 Cs-137γ線の全身急性照射(設定線量1-10Gy)を背部より受けたマウスの体内線量を、ガラスチップを用いたラジオフォトルミネセンス法で検出し、設定線量に対する甲状腺線量の換算(0.95~0.99)を行った。また[I-131]NaIを腹腔投与したマウスの甲状腺線量を同様の手法で検討したところ、約0.05Gy/MBq・dayの初期1日累積線量が得られた。これは、培養甲状腺細胞系に[I-131]NaIを添加した場合の線量の約1/10であった。この条件でマウスに1.85MBqを投与し長期飼育を行っているが、F-18 PETおよびTc-99m SPECTで発がんと甲状腺組織の異常像は確認されなかった。投与されたI-131による甲状腺イメージングも計画通り試みてきたが、コリメーターに比してエネルギーが高く、至適な画像再構築条件に至っていない状況にある。 放射線発がんに関してはネガティブな結果が続いているが、このようなデータは、現在、研究代表者らが行っている九州への福島からの避難住民に対するホールボディカウンタ検査の結果に基づくリスクコミュニケーションにおいて放射性ヨウ素による内部被ばくを再現することが動物実験であってもいかに困難なことであるかという説明に使用し、一定の説得力が見られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
内部被ばくによる発がんが予想以上に見られないことと、I-131画像再構築条件構築が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
投与するI-131放射能を、アイソトープ実験施設能力の許容する最大放射能まで引き上げることと、I-131画像再構築については7月より新たな専任オペレーターと機器アドバイザーを確保して体制を強化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PET/SPECT/CTを用いた分子イメージングの撮像回数が機器混雑のため予定よりも少なかったため、放射性医薬品および動物の購入費用が少なかったことによる。 撮像回数は最低限予定を確保するとともに、画像再構築支援のための謝金にも充当する。
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Research Products
(5 results)