2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境化学物質の神経内分泌ストレス応答系への発達毒性に関する研究
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24651059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠山 千春 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10150872)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境化学物質 / 神経内分泌 / ストレス応答 / 周産期 / 母子行動 / 社会行動 / 高次脳機能 / ストレス障害モデル |
Research Abstract |
低用量の環境化学物質への周産期曝露によって生じるげっ歯類での高次脳機能異常は、ヒトにおけるストレス障害を伴う発達障害・神経疾患のモデルと共通性が多い。神経内分泌ストレス応答系の機能は、認知・情動に関わる主要なシステムであるにもかかわらず、発達期における環境化学物質への曝露が個体の神経内分泌ストレス応答系に及ぼす毒性はほとんど解明されていない。そこで本研究では、新規の行動科学的アプローチや、伝統的ならびに最新の生化学・分子生物学的手法を用いた多角的検討により、環境化学物質のストレス応答系への発達毒性を調べることを目的とした。 環境化学物質の曝露モデルとして、ダイオキシン(2,3,7,8-四塩素化ジベンゾ-p-ジオキシン(TCDD))等の周産期曝露によるモデルマウスを作成した。また、神経内分泌ストレス応答系の指標である視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の機能異常を引き起こす陽性コントロール条件を用いた。すなわち、母子分離など外的生育条件の負荷による神経内分泌ストレス障害モデルマウスを作成し、ダイオキシン曝露マウスと比較した。我々は、ダイオキシン周産期曝露マウスにおける社会行動異常を見出し、論文報告した(Endo et al. PLOS ONE 2012)。そしてダイオキシン周産期曝露マウスと同様の社会行動異常を示す外的生育条件と、逆方向の社会行動異常を示す条件を見出した。これらモデルマウスにおいて、ストレス応答に関わる遺伝子発現解析を行った結果、前頭葉と扁桃体の機能的結合の変化が関与する可能性を示す知見を得た。今後、外的生育条件とダイオキシン曝露影響のメカニズムの共通性と相違点について、さらに解析する必要性が示された。
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Research Products
(5 results)