2013 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復を利用したエピミュータジェンのスクリーニング
Project/Area Number |
24651063
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
八木 孝司 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80182301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 優喜 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70332963)
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Keywords | エピミュータゲン / メチル化 / MGMT |
Research Abstract |
エピジェネティックな遺伝子の変化、すなわちシトシンのメチル化やヒストンのメチル化・アセチル化・リン酸化などによる遺伝子発現の変化は、発生・分化の異常や発がんに関わる。これらの変化は外来の化学物質によっても引き起こされると考えられる。本研究では、5-メチルシトシンの脱メチル化を起こし、不活化していた遺伝子を発現させる化学物質、エピミュータジェンをスクリーニングできるバイオアッセイ法の樹立を目指した。 DNA修復酵素であるO6メチルグアニンーメチルトランスフェラーゼ(MGMT)の発現を、プロモーターのメチル化によって欠損するヒトHeLaMR細胞とその発現が回復したHeLaNURを用いた。DNAアルキル化剤であるMNU処理した緑色蛍光レポータープラスミドpCMV-EGFP1を導入したHeLaMR細胞に、代表的エピミュータゲンである5-アザシトシン(AzaC)を処理し、24時間後に緑色蛍光を発する細胞の割合が最も多いAzaC濃度を決定することを試みた。しかしMGMT活性を回復する細胞の割合が少なく、この方法ではアッセイができないことがわかった。そこで細胞生物学的にエピミュータゲン活性を定量的に測定する方法の樹立を試みた。代表的エピミュータゲンであるAzaC処理し、その後通常培地で10日間培養後、NMU 1 mM 1時間処理し、MNU抵抗性コロニーの出現頻度を求めた。その結果、出現頻度は処理濃度依存的にそれぞれ40~70倍上昇することがわかった。この方法は簡便ではないが、定量性に優れたエピミュータゲン活性測定法であるといえる。また出現したコロニーのMGMT発現を確認し、MGMTプロモーターの脱メチル化をバイサルファイトシーケンシングによって確認した。この方法でデシタビンの強力な脱メチル化作用を確認したが、トリコスタチンは脱メチル化作用は確認できなかった。今後この方法を用いて種々の物質のだ津メチル化作用を検討していく。
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Research Products
(1 results)