2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物のフィトレメディエーション機構解明と実用化に向けた取り組み
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24651087
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
太田 雅也 福山大学, 生命工学部, 教授 (00203802)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境修復技術 / フィトレメディエーション |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で、キュウリやセイタカアワダチソウなどPCB同族体の高蓄積植物から抽出した糖脂質画分は、POPs類の可溶化能を有し,組換え体シロイヌナズナのPCB126取込み量を増加させる添加効果があることを見出している。また、ヨウシュヤマゴボウから得られた糖脂質画分にも顕著なPOPs類の可溶化能を見出していることから、これらの糖脂質成分のサーファクタント能、および組換え体シロイヌナズナのPCB126の取込みに関する添加効果について検討した。 ヨウシュヤマゴボウ中の糖脂質は、一般の植物中に存在しているMGDGやDGDGに加えて、薄層上で移動度の異なる十数種類のフィトラッカサポニンが存在し、これらのフィトラッカサポニン群の添加は、MGDGやDGDG添加に比べて組換え体シロイヌナズナのPCB126取込み量の2~3倍量の上昇が認められた。これらフィトラッカサポニン群のうち、主要な9成分はトリテルペノイダール骨格のC3位の水酸基グルコース、ガラクトース、キシロース、ラムノースからなる1-3残基のオリゴ糖がグリコシド結合し,C28位のカルボキシル基にグルコースあるいはキシロース1残基がエステル結合している構造であった。これら糖鎖構造とサーファクタント能および組換え体シロイヌナズナのPCB126の取込みに関する添加効果については現在検討中である。 一方、ヨウシュヤマゴボウの葉茎から抽出した水溶性画分の組換え体シロイヌナズナのPCB126取込みに関する添加効果は、0.05mg/ml濃度の添加時で組換えシロイヌナズナのGUS活性の3倍の上昇が認められた。さらに水溶性成分はSDS-ポロアクリルアミドゲル電気泳動で明瞭な4種のタンパク質のバンド(分子量15kD、20kD、28kD、50kD)が認められ、このうち低分子の成分(分子量15kD)含む画分中に顕著なPOPs類の可溶化能が認められた。
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Research Products
(1 results)