2013 Fiscal Year Research-status Report
被災地の微生物で被災地を救え-がれきを材料としたバイオプロセスの構築を目指して-
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24651093
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩淵 範之 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (90328708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松藤 寛 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (70287605)
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Keywords | 低分子リグニン / 有機蛍光物質 / バイオプロセス / Pseudomonas / バイオリファイナリー |
Research Abstract |
Pseudomonas sp. ITH-SA-1株は、低分子リグニンの一種であるシリングアルデヒド(SYAL)を基質として菌体外に水溶性の蛍光物質を生産する菌株として海水より単離された株である。これまでの研究から、ITH-SA-1株の精算する蛍光物質は熱やpH耐性を有していたことから、既存の蛍光物質とは異なった利用も考えられ、従来と差別化された新しい応用分野が拓ける可能性がある。そこで、本研究ではITH-SA-1がSYALから作り出す蛍光物質の化学構造的知見を得ることを試みた。 まず初めに溶媒溶解性を検討したところ、本蛍光物質は、水及びMeOHには易溶であるが、EtOHなど極性有機溶媒には難溶または全く溶解しないという極めて高極性の物質であることが示唆された。次に、蛍光励起スペクトルを検討したところ、Ex 356 nm、Em 498 nmの励起蛍光スペクトルを示し、青緑色の蛍光を発することを明らかにした。続いて、分子量を検討したところ、平均分子量7.2 kDaの複合体であることが示唆された。現在のところ、本蛍光物質は完全には単離できておらず、その詳細な構造は不明であるが、低分子の蛍光物質の存在はゲルろ過HPLCにて観察されないことから、比較的高分子の有機蛍光物質と考えられる。一方、高分子有機蛍光物質としては、タンパク質、アルケニルベンゼンやアルケニルチオフェンの重合体などが知られているが、本結果はこれらの可能性を否定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究で行ったスクリーニングから得られた菌株群から選抜されたPseudomonas sp. ITH-SA-1株の有機蛍光物質の大まかな化学的性質を明らかにできたことから、研究は概ね順調に進んでいると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、ITH-SA-1株の生産する蛍光物質の合成経路を検討するため、分子育種と化学構造解析とリンクさせながら研究を進め、昨年度得られた最終前段階の中間代謝産物群の情報に加え、今年度は大まかな化学的性質を明らかにした。しかしながら、同時に、これ以降の検討をするためには、より詳細な遺伝情報の取得の必要性も同時に生じた。今後は、同株のドラフトゲノム解析等も行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究では、ITH-SA-1株の生産する蛍光物質の合成経路を検討するため、分子育種と化学構造解析とリンクさせながら研究を進め、最終前段階の中間代謝産物を特定した。さらなる検討のために、より詳細な遺伝情報の取得としてドラフトゲノム解析を計画し、そのための試料作成等を検討したが、メーカーとの時間的な折り合いがつかなかった。時間的な制約で得られるデータの可能性も推奨されたが、その簡易なデータでは本研究成果としては不十分なため断念した。それ故、予算の未使用が生じ、上記解析のための期間延長が必要となった。 平成26年度の予算は、ドラフトゲノム解析の分析委託、およびその準備のための消耗品にあてる予定である。本解析から得られた情報は、すでに取得している化学構造解析の結果とリンクさせ、重合の最終段階のステップを検討する。 ゲノム抽出のための試薬など 84701円 ゲノム分析委託 700000円
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Research Products
(1 results)