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2013 Fiscal Year Research-status Report

X線領域での無相関計測実現可能性調査

Research Project

Project/Area Number 24651104
Research InstitutionOsaka Prefecture University

Principal Investigator

岩住 俊明  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90203380)

Keywords国際研究者交流
Research Abstract

昨年度、本研究の目的であるX線領域での無相関計測実現に向け、高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設で共同利用に供されているマッハ-ツェンダー型干渉計を利用した予備実験を行った。しかし、昨年度の実施状況報告書にも記載した通り、データ処理用として購入を予定していたコンピュータの出荷が遅れ、解析が進んでいなかった。本年度はデータ処理用コンピュータを調達し、そのデータ解析と情報収集に取り組んだ。
マッハ-ツェンダー型干渉計を利用する場合、明視野像のコントラストを上げるため通常第1結晶での分岐比率が1:1になるよう調整する。しかし本研究ではX線の分岐比率を積極的に変化させ、被写体がある光路への分岐比率を下げるように必要がある。高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設でマッハ-ツェンダー型干渉計を管理している研究者との相談の結果、予備測定では薄膜による吸収を用いた分岐比率変化による測定を試みた。多様な分岐比率での明視野像・暗視野像の測定を行い、データ解析中である。予備実験で得たデータ量は当初予想していたものよりはるかに多く、現在まだ解析続行中である。データ処理法の指導を受けたり、適切な解析法に関する打ち合わせを行うため、研究代表者および研究協力者が何度も高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設に通っている。
当該分野の最新情報を収集するため、研究代表者および研究協力者が国内外の学術会合に参加した。参加した学術会合は以下の通り:X-ray Free Electron Laser School and symposium、日本物理学会第69回年次大会。現在実現しているX線自由電子レーザーによる短パルス利用や空間コヒーレンス利用実験の話はあったが、本研究のような時間コヒーレンスを用いる研究提案は見当たらなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

既存のX線干渉計を用いた予備実験は終了しているが、得られたデータが当初予想以上に膨大になりデータ処理に手間取っている。定性的な解析はできており、狙っていたデータが取れていることは判っているが、定量的な解析ができなければ新しいX線干渉計の設計に必要な詳細な情報まで至らない。また、予備実験時に見つかった本研究の発展的目標実現に取って致命傷になる可能性のある問題点を克服する方法を検討しているが、まだ解決法を見いだすに至っていない。上述のように現時点ではまだ新しい干渉計を実際に試作する段階にはない。
当該分野の情報収集は順調に進んでいる。現時点ではXFELの短パルス性を用いた時間分解測定の提案や、空間コヒーレンスを用いる実験の提案がなされ、一部具体的に研究がスタートしたところである。時間コヒーレンスを使った実験提案は情報収集している範囲では見当たらず、未だ我々のアイディアの先進性が維持されていると考えている。

Strategy for Future Research Activity

予備実験のデータ解析を進める。また、予備実験時に発見した本研究の発展的目標実現にとって致命傷になる可能性のある問題点の解決策を探る。
予備実験時に発見した問題点とは、X線干渉計の安定性である。分岐比率の差を大きくすると、X線干渉計で得られる干渉画像が非常に不安定になる。これは既存のマッハ-ツェンダー型干渉計の安定化策(室温の安定化、振動の除去)では分岐比率の差が大きい場合には画像安定性を確保するのに不十分であることを意味している。この結果は、予備実験の干渉強度変化(現在解析中)が理論予測通りになっているかどうかとは別に、本研究が発展的目標としている放射線被爆のないX線撮像法実現を阻害する要因となる。時間コヒーレンスを用いる新しいX線干渉計の設計・試作が本研究提案時の目的の一つではあったが、基本設計はすでに研究提案時に行っている。今後は、より重大問題と考えられるX線干渉計の安定性に関して重点的に検討を行う予定である。
当該分野の情報収集は今後も継続して進める予定である。特にXFELOに関する研究報告を聞くことができそうな学術会合には、国内外問わず研究代表者および研究協力者が積極的に参加するつもりである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

予備実験時にX線干渉計の安定性に問題が有ることが発覚し、予定していた新しい干渉計の設計・試作に着手できていないため。発覚した問題点とは、X線干渉計の分岐比率の差を大きくすると、得られる干渉画像が非常に不安定になることである。これは既存のマッハ-ツェンダー型干渉計の安定化策(室温の安定化、振動の除去)では分岐比率の差が大きい場合には画像安定性を確保するのに不十分であることを意味している。この結果は、干渉強度変化が理論予測通りになっているかどうかとは別に、本研究が発展的目標としている放射線被爆のないX線撮像法実現を阻害する要因となる。今後は、X線干渉計の安定性に関して重点的に検討を行う予定である。
研究計画提案時に計画していた新しい干渉計の試作を急ぐよりも、安定性確保のための対策の検討を優先する。
当該分野の情報収集は今年度も継続して進める予定である。特にXFELOに関する研究報告を聞くことができそうな学術会合には、国内外問わず研究代表者および研究協力者が積極的に参加するつもりである。

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Published: 2015-05-28  

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