2012 Fiscal Year Research-status Report
原子操作を用いた新物質創世のための原子サイズ反応場の構築
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24651116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 真之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00362666)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 原子操作 / 反応場 / 非接触原子間力顕微鏡 / AFM |
Research Abstract |
本研究では、超高真空で動作する非接触原子間力顕微鏡(Noncontact Atomic Force Microscope; NC-A FM)の高性能化を行い、半導体表面において原子操作を室温環境下で成功した。さらに、Si(111)-(7x7) に、Au やAg、Pb などの金属を蒸着させ、原子操作によって、一つのハーフユニットセル原子を集め、3次元のナノク ラスタを作成し、1次元もしくは2次元、3次元のクラスタを作製し、物性評価を行うことを目的としている。そのためには、さらに多くの原子を閉じ込める必要があり、Si(111)-(7x7) のハーフユニットセルよりも大きい反応場が必要となる。そこで、本研究のもう一つの目的として、原子操作を用いた新物質創世を行うために、任意の大きさの原子サイズの反応場を実現することに挑戦する。 今年度は、Si(111)-(7x7) のハーフユニットセル内で、クラスタ合金を作製することに成功した。原子レベルの反応場では、基板試料との相互作用によっても、クラスタ生成の条件が異なってくると考えられる。また、クラスタ安定に存在する原子数も、基板材料とクラスタを構成する原子種によって異なるはずである。さらに、条件によっては、1次元もしくは2次元、3次元のクラスタが作られる場合もある。そこで、いくつかの条件下で、安定なクラスタの存在する場合を見出した。イオン結晶の電子脱離実験に関しては、イオン結晶の原子分解能を確認し、脱離実験の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の目標であった「半導体表面における相境界領域の作成」および「電子線脱離による表面ナノピット作成」に関しては、少し遅れが生じている。一方、25年の課題に関しては前倒しで実験を行い、成果を得た。したがって、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書のとおり実験を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
約35万円程度の繰越が発生している。本年度は実験を本格的に進めるために、試料ホルダ等の真空部品を購入する。
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