2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24651118
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 啓作 法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー研究センター, 研究員 (70106160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 浩史 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (20261282)
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Keywords | 無染色画像 / 電子顕微鏡基板 / グラフェンオキシド / 単分子タンパク質 / 透過走査電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本申請課題の目的は「クライオTEM(透過型低温電子顕微鏡)など特殊な装置を用いず、またタンパク質の染色操作を行わずに、タンパク質単一分子を走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて確認できるか」を2年間の研究期間内に行うことである。このような研究課題が可能になったのは2004年に一原子層厚さの究極の薄膜基板であるグラフェンが発見されたことによる。本研究では、グラフェンの親水性誘導体であるグラフェンオキシド(GO)をSTEMの基板として用い、無染色タンパク質で1nmの分解能を達成しようとするものである。平成25年度には 1. 染色無しのタンパク質単分子の電子顕微鏡画像化を可能にする0.3nm厚さの単原子層GO基板の実用的な作製法の開発;2. GOを基板とする無機極微結晶の検出と解析;3. 低加速電圧でも分解能を低減させない試料の調製法の開発;4. 無染色条件下で大きさ3 nmのリゾチーム分子の画像化。 を目標としていた。 しかし計画年度半ばで研究代表者の所属機関の移動という事態が発生し、計画の変更を余儀なくされた。異動先の所属ラボには装置類は殆どなく、本科研費にてラボのセットアップと化学実験器具をそろえなければならなかった。通常の合成実験に必要なガラス器具や試薬の他に、新規に実験室を立ち上げるため小型の機器;ロータリーエバポレーター、湯浴、攪拌機、乾燥機、卓上遠心器、真空デシケーター、油回転ポンプ、アスピレーター、冷蔵庫等の購入ならびに、グラフェンオキシドを作成するのに不可欠なAr雰囲気下での反応システムの構築を計画した。このほとんどを25年度内に達成し、研究環境を整えることはできた。しかしながら作成したグラフェンオキシドを電子顕微鏡で確認するには至っていない。
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Research Products
(1 results)