2014 Fiscal Year Annual Research Report
珪藻殻形成にヒントを得たシリカ自己組織化塩基性ペプチドの創成
Project/Area Number |
24651119
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松田 祐介 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30291975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己組織化 / ナノバイオ / シリカ構造 / 塩基性ペプチド / 珪藻殻 |
Outline of Annual Research Achievements |
珪藻の殻は数十ナノメートルのメゾスコピックなサイズの整列シリカ構造を自己組織化する最も精緻なバイオミネラリゼーションである。この作用は近年の研究から殻に分泌される塩基性ペプチドとポリアミン鎖の作用によることが分かってきている。本研究では、この作用にヒントを得、人工的に作った様々なパターンの塩基性ポリペプチドによるシリカバイオミネラリゼーションの可能性を探ることを目的としている。最終的に、基板表面上に珪藻殻に見られるようなナノメートル単位の整列構造を自己組織化するペプチドのセットを開発すること、およびその作用原理を明らかにすることを目標としている。 平成26年度は計画に従い以下のサブプロジェクトを推進した。1.平成25年に引き続き、単純な二次構造に塩基性アミノ酸を埋め込んだ様々なペプチドの設計と、その大腸菌を用いた生産を行った。2.精製した人工ペプチドを順次シリカ固体形成反応の確認に供した。3.この人工塩基性ペプチドと相互作用するペプチドとして、本ペプチドに親和性を有する抗体を作製し、反応系に混入して精製するバイオシリカの形状に与える影響を分析した。4.生産、精製、および機能を確認したペプチドについて、pH、塩濃度、ケイ酸濃度、ペプチド濃度等を変え、さらに3で述べた抗体との混入系を併用しながら生成するシリカの構造を定性的、定量的に解析した。その結果、バイオシリカの粒径制御の他に、特異的抗体と血清成分であるアルブミンの併用により、再現性よく平板状の構造を作製することが出来た。5.連携研究者の協力を得、Ga/As系基板に加えSiCおよびSiCグラフェン系の基板構造を作製し、バイオシリカ形成ペプチドの反応をこの表面で行いつつある。また、空間充填パターンが形成される数学モデルの構成と解析を行った。このモデルの微少化を行う段階まで到達している。
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Research Products
(10 results)