2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24651130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智久 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (80240901)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バイオミネラリゼーション / 毒牙 / ヘビ / ハブ / マトリックスタンパク質 / プロテオーム / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
毒動物は、毒を生産する毒腺、毒嚢の他に毒を相手側に効率的に注入するための毒牙や毒針、刺胞など毒器官をもつ。本研究は、ハブ毒牙の細い形状にも関わらず高い力学強度を示す物理特性と消化液に抵抗性を示す生化学的特性に着目し、ハブ毒牙の機械特性と毒牙形成に関わるマトリックスタンパク質の構造と機能、遺伝子の構造および発現様式について明らかにする。毒牙がどのように機能進化したのか、その進化メカニズムを解明するとともに、対酵素消化耐性や強度な力学的特性を有する毒牙形成のメカニズムを解明し、酸や酵素に高い耐久性をもつような新規ナノ材料の開発につながる知見を得ることを目的とする。 本年度は、ハブ毒牙および毒牙芽細胞をそれぞれ採取し、毒牙を酸(蟻酸,酢酸,塩酸など),EDTAによる脱灰条件を検討した。50%蟻酸で室温,3日間による処理で脱灰し、不溶性マトリックスタンパク質を得た。マトリックスタンパク質を2次元電気泳動およびMALDITofMS/MSによるプロテオーム解析により、酸性領域特にpI4-5に,分子量25kDaから55kDaの20種類のタンパク質スポットを同定した。このうち1つは、トリ、赤腹イモリのコラーゲン様配列と相同性があることが判明した。しかし、ハブゲノムあるいは毒牙形成組織のトランスクリプトームよる配列データベースが不十分なため、そのほかに相同性のある配列は得ることができなかった。 一方、毒牙芽細胞からRNAを抽出し、リボソーマルRNAを除去あるいはpoly(A)RNAに精製したのちcDNAライブラリを構築した。RNA-seq解析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ハブ毒牙を酸(蟻酸,酢酸,塩酸など)およびEDTAによる脱灰、および不溶性マトリックスタンパク質の抽出条件を確立した。さらに毒牙マトリックスタンパク質の2次元電気泳動およびMALDITofMS/MSによるプロテオーム解析をおこない、酸性タンパク質のスポットを同定し、コラーゲン様配列と相同性があることを明らかにした。しかし、ハブゲノムあるいは毒牙形成組織のトランスクリプトームよる配列データベースが不十分なため、そのほかに相同性のある配列は得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ハブゲノムあるいは毒牙形成組織のトランスクリプトームよる配列データベースを充実させるため、毒牙芽細胞のトランスクリプトームRNA-seq解析のほか、ゲノム解析についても進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
毒牙芽細胞のトランスクリプトームRNA-seq解析にかかる試薬類のほか、次世代シーケンサ使用料(東北大学研究基盤センター)に充てる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Rhamnose-binding lectins induce respiratory burst activity in macrophage cells from rainbow trout.2013
Author(s)
Watanabe, Y., Chang, Y.-H. Nakamura, O., Naganuma, T., Ogawa, T., Muramoto, K.
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Journal Title
Fisheries Sci
Volume: 79
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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