2012 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化酸化物1次元ナノ構造体による酸化還元ナノスケールスイッチング素子の創成
Project/Area Number |
24651138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長島 一樹 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教 (10585988)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化物ナノワイヤ / 抵抗変化メモリ効果 / VLS成長 |
Research Abstract |
トランジスタは今やエレクトロニクスのみならナノバイオ分野においても必要不可欠な基盤技術であるが、10nm以下のサイズにおける物理的な動作限界という原理的な問題を抱えている。本研究では、自己組織化酸化物1次元ナノ構造体を用いて、従来原理の“電荷”でも“スピン”でもない、“イオン”を利用した全く新しい原理の酸化物ナノスケールスイッチング素子を創成し、従来原理では不可能であったシングルナノスケール(<5nm)におけるトランジスタ動作を実証することを目的としている。当該年度は本素子の根幹を担うスイッチング部位を気液固(VLS)成長法を用いて1次元ナノワイヤ構造化することを試みた。これまでに我々が明らかにしてきたVLS成長メカニズムの拡張により、典型的なn型酸化物であるTiO2及びp型酸化物NiOを初めてナノワイヤ成長・形成制御することに成功した。さらに次年度以降の研究計画の鍵となる低温ナノワイヤ成長メカニズムを明らかにすることに成功した。また、NiOナノワイヤを用いて単一ナノワイヤ素子を形成し、これが所望の抵抗変化スイッチング効果を示すことを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の重要なポイントであるTiO2及びNiOの1次元ナノワイヤ構造化に成功し、抵抗変化スイッチング効果を検証した点において本研究は順調に進展していると見ることが出来る。特に従来シングルナノメートルスケールのナノワイヤ成長制御は困難であったが、本研究で金属の蒸気圧に基づく低温成長法を開発することにより本問題の解決を図ることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに構築したTiO2及びNiOナノワイヤの低温成長法を介して、規定されたヘテロ界面を有するITO/TiO2(NiO)/ITOナノワイヤへと展開する。このヘテロナノワイヤ構造体形成が本研究課題の最も重要かつ困難なポイントであり、詳細な構造評価及びこれまで明らかにしてきたナノワイヤ形成メカニズムを活用して本課題の達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(35 results)