2013 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化酸化物1次元ナノ構造体による酸化還元ナノスケールスイッチング素子の創成
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24651138
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長島 一樹 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (10585988)
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Keywords | 酸化物ナノワイヤ / 抵抗変化メモリ効果 / VLS成長 |
Research Abstract |
トランジスタは今やエレクトロニクスのみならナノバイオ分野においても必要不可欠な基盤技術であるが、10nm以下のサイズにおける物理的な動作限界という原理的な問題を抱えている。本研究では、自己組織化酸化物1次元ナノ構造体を用いて、従来原理の“電荷”でも“スピン”でもない、“イオン”を利用した全く新しい原理の酸化物ナノスケールスイッチング素子を創成し、従来原理では不可能であったシングルナノスケール(<5nm)におけるトランジスタ動作を実証することを目的としている。当該年度は、前年度までに達成したNiOナノワイヤと他の材料系とのVLS成長を介したヘテロ接合を試みた。モデル材料としてNiOやITOと同様の結晶構造を有し、容易にVLS成長可能なMgOナノワイヤを用いてNiOナノワイヤとのヘテロ接合を行った結果、MgO-NiOナノワイヤ、及びNiO-MgOナノワイヤのヘテロ接合形成に成功した。最終年度はヘテロ界面形成メカニズムに関する詳細な検証と共に目的とするデバイス形成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
VLS成長を介した多種酸化物材料から成るヘテロ接合は、従来の単一材料による酸化物ナノワイヤ形成とは異なり、それぞれ固有の作製条件を適用する必要があるが、2種の材料間で作製条件が大きく異なる場合、ヘテロ界面を安定に保持することが困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化物ヘテロナノワイヤ形成、及び良好なヘテロ界面形成を両立させることが本研究におけるの最大の課題・障壁である。NiO-MgOヘテロナノワイヤ成長の成功には、前年度までに明らかにしたVLSナノワイヤ低温成長メカニズムに基づいてNiOナノワイヤとMgOナノワイヤを同一条件で作製可能にした点が大きく関与している。従って、今後の方策としてはTiO2、NiO、ITOを同一条件で作製可能にし、且つ良好なヘテロ界面を形成可能な作製条件を探索することで現状の問題点の解決を図る。
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Research Products
(28 results)