2012 Fiscal Year Research-status Report
光学活性カーボンナノチューブと有機分子を用いたナノ磁性素子の創成
Project/Area Number |
24651142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 琢治 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80169185)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / キラル / ナノマグネット |
Research Abstract |
1.光学活性カーボンナノチューブ自体やこれと有機分子の複合体に電流を流したときの磁性現象を明らかにする。2.更に、これをナノコイルとして利用するための手法を探り、これを用いたナノレベルの磁気抵抗素子や、磁気メモリーに応用することを目指す。 上記2点を、研究目的としている。 光学活性カーボンナノチューブを絶縁体基板上にキャストして、金電極を蒸着して、電圧を印加し、電流量の磁場依存性を計測したが、明確な差は見られなかった。問題点としては、カーボンナノチューブがランダムに並んでおり磁場に対してそろっていないこと、装置上の限界からカーボンナノチューブに対して垂直に磁場がかかることが考えられる。カーボンナノチューブの方向をそろえるための条件を検討するとともに、計測装置を改造して、カーボンナノチューブの軸方向に垂直に磁場が掛けられるように作業を行った。 これと平行して、光学活性カーボンナノチューブの絶対配置を決めるために、有機分子ポリマーを巻き付け、これをSTMやAFMで観察することも行った。以前に、ポルフィリンポリマーが、カーボンナノチューブ表面にらせん状に巻き付くことがAFMで見えること見いだしていたため、これを利用することにした。これに必要なポルフィリンポリマーの合成を行い、HOPG上での観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光学活性カーボンナノチューブを絶縁体基板上にキャストして、金電極を蒸着して、電流を流しながら、magnetic force microscopy(MFM)で、発生磁場の空間分解計測を行う予定であったが、技術的な困難から、データが得られなかった。MFM計測の技術に習熟する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.MFM計測に関しては、専門家との共同研究を推進する。 2.ポルフィリンポリマーを巻き付けた光学活性カーボンナノチューブの構造をAFMで観察して、どちら向きの螺旋かを決定する。 3.カーボンナノチューブを一方向に並べる技術を完成して、方向がそろったデバイスでの計測を行う。 4.単一分子磁石を巻き付けた光学活性カーボンナノチューブの磁気物性も計測する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計測に用いる、基板、蒸着用の金属、カンチレバー、ポルフィリンポリマー合成に用いる試薬、溶媒などに使用する。
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