2013 Fiscal Year Annual Research Report
銀ナノプレート組織体を用いる近赤外SPRセンサの創出
Project/Area Number |
24651145
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 淳 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30136551)
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Keywords | 銀ナノプレート / 表面プラズモン共鳴 / センシング / 近赤外光 |
Research Abstract |
(1)銀ナノプレートの合成 銀ナノプレートは、企業との共同研究による開発を進めた。銀ナノプレートの厚み(約20 nm)と三角形状の形成はかなり高い再現性で制御できるようになった。サイズについては、触媒となる銅イオンの量や添加過程が微妙であることが明らかになり、一辺が50 nm~数百 nmの三角形型銀ナノプレートが合成できるようになった。生成物の評価は分光光度計をはじめ九州大学所有の透過電子顕微鏡でも行った。一方、銀ナノプレートが発現するプラズモン電場についてFDTD法による理論計算を行い、プラズモンバンドの位置やシフトの程度について理論と実験の両面から解析した。 (2) 表面修飾とセンシング 本研究で基本的に重要な点は、銀ナノプレートの表面処理である。先ず、ヘキサデカンチオールによる疎水化を試みたところ、疎水化は起こるが未反応チールの除去が困難であった。そこで、銀ナノプレート水溶液と脂溶性高分子であるポリエチレングリコール(PEG)あるいはポリビニルピロリドン(PVP)の有機溶液を混合し、相間移動により銀ナノ粒子表面をPVPで被覆する方法を検討した。その結果、クロロホルムに高濃度分散可能な銀ナノプレートが作製できた。ラングミュアーブロジェット法により、水面上に作製した銀ナノプレート薄膜をガラス基板に移し取った。この基板を屈折率の異なる有機溶媒に浸漬して吸収スペクトルを測定すると、プラズモンバンドが屈折率に応答してシフトした。一方、親水性銀ナノプレートについても、ポリエチレンイミン修飾ガラス基板に静電吸着させることに成功した。銀ナノ粒子が次第に酸化溶解される不安定性はあるものの、屈折率応答を示すことが明らかとなった。 結論として、銀ナノプレートを屈折率センシングに適用することが可能であることを実証することができた。新しいプラズモニックセンシング素子の提案につながる貴重な成果が得られた。
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Research Products
(7 results)