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2012 Fiscal Year Research-status Report

凍結乾燥法を用いる新規ナノ構造体製造技術

Research Project

Project/Area Number 24651149
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionFukuoka Industrial Technology Center

Principal Investigator

木村 太郎  福岡県工業技術センター, 化学繊維研究所, 専門研究員 (40416491)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 内山 直行  福岡県工業技術センター, 化学繊維研究所, 研究員 (10502247)
齋田 真吾  福岡県工業技術センター, 化学繊維研究所, 主任技師 (20502248)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsナノファイバー / 水溶性高分子 / 多孔質体 / 凍結乾燥 / ナノ構造
Research Abstract

研究実施者らは、高分子水溶液を凍結乾燥することで様々なナノ構造体を形成する「凍結乾燥法」を見出しており、そのナノ構造形成のメカニズムを詳細に解明し、更に作成したナノ構造体について、実用化展開を検討することを目的としている。24年度はナノ構造体形成メカニズムの解明を中心に研究を行った。
まず、高分子の種類、分子量、濃度の異なる高分子水溶液を凍結乾燥し、形成された構造との相関を調べた。その結果、全体的な傾向としては、比較的高い濃度(3.0~5.0wt%)の高分子水溶液を凍結乾燥するとマイクロオーダーのシートや繊維構造が形成された。また、低濃度(0.1 wt%)では球状粒子が観察された。更にその中間濃度(2.0~0.5 wt%)ではナノファイバーが観察されやすいことが明らかとなった。また、ナノファイバーに焦点を絞ると、後述するいくつかの高分子が特に均一で細い(直径約200nm)ナノファイバーを形成することが明らかとなった。ナノファイバーを形成しやすい高分子の種類としては、PVP、PEOといった「高い水溶性を有する柔軟な合成高分子」、とシゾフィラン、グアーガム、キサンタンガムの様な「剛直な高次構造を有する粘性多糖類」の2群がナノファイバーを形成しやすい傾向が見られた。
次に、凍結乾燥の凍結過程、乾燥過程の違いが形成されるナノ構造に及ぼす影響について検討を行った。その結果、凍結過程を緩やかに行うとマイクロオーダーのシートが形成しやすく、急速に凍結するとナノオーダーの繊維や粒子が形成されやすいことが判明した。次に、乾燥過程の真空度について検討を行ったところ、高真空(約1Pa)で乾燥を行うと粒子状構造が、低真空(約10Pa)ではナノファイバーが形成されやすいことが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

24年度は、ナノ構造形成メカニズムの解明を目標に研究を行った。そのため、材料(高分子の種類、濃度)に関する要素、環境(凍結過程、乾燥過程)に関する要素、の両面から探究を行い、ナノ構造(特にナノファイバー)の形成には①高分子鎖同士の適度な相互作用、②凍結過程における微小な氷晶の形成、③乾燥過程における分子鎖の伸長、という過程がかかわっていることが明らかとなった。従って、ナノ構造形成に関するメカニズムの概要を明らかにすることが出来たと考えており、目標はほぼ達成することが出来た。また、今回得られた知見から、凍結乾燥法が新規なナノファイバー製造方法として有効であることが明らかとなり、特許出願を行った。これは、次年度以降の実用化展開に道を開くものであり、研究計画を順調に達成していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

前年度に得られた知見を元に、「凍結乾燥法」によるナノファイバーシートの製作を行う。グラム単位でのナノファイバー製造を目標とする。また、シートの機能向上のため下記の検討を行う。
(1)強度向上に関する検討
「凍結乾燥法」で作製されるシートは、繊維間の接着がないため強度が低いことが想定される。この点を改善するために、補強繊維との複合化、バインダーの添加を行い効果を検証する。
(2)不溶化に関する検討
本シートは基本的に水溶性高分子を用いて作製するものである。従って、湿気や水ぬれに対して課題があると想定される。そこで、熱処理や架橋反応を用いて、水に対する不溶化処理方法を確立する。
以上により、凍結乾燥法によるナノファイバーの実用化展開を目指した基盤技術の確立に取り組む。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度は、研究に必要な液体窒素などの消耗品を当所内の経常経費から調達することが出来たため計画よりも研究費の使用が少なかった。しかしながら、24年度の研究結果から、凍結乾燥時の真空度の調節が重要であるという知見が得られ、真空チャンバーなどの改良が必要になることが予想されており、その経費等に繰り越し分を充当したい。
また、25年度はナノファーバーの強度向上や不溶化についての検討を行うこととしており、それに必要な高分子等試薬類、分析用消耗品等に研究費を使用したい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Patent(Industrial Property Rights)] ポリマー繊維構造体及びその製造方法並びに複合繊維構造体2013

    • Inventor(s)
      木村 太郎
    • Industrial Property Rights Holder
      福岡県
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      特願2013-024668
    • Filing Date
      2013-02-12

URL: 

Published: 2014-07-24  

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