2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24651156
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶 弘和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70431525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 俊明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90191858)
永井 展裕 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30400039)
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Keywords | システムオンチップ / 生体材料 / マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に開発したポーラス膜を組み込んだマイクロ流路デバイスを用いて、ヒト網膜色素上皮(ARPE)細胞とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の流路内培養を検討した。マイクロ流路デバイスは上下2層の流路構造を備えており、各流路は、10ミクロン径の細孔のアレイを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)膜で隔てられており、この膜の上下がそれぞれ細胞の培養面となっている。また、細胞に力学刺激を加えるために、ポーラス膜の一部を柔軟性の高いポリスチレン等のナノ薄膜に置き換えた流路デバイスも作製した。まず、流路デバイス内でARPE細胞を潅流培養すると、ポーラス膜上にARPE細胞のモノレイヤー組織が形成され、上皮に特徴的なヘキサゴナルな細胞形態が観察された。ポーラス膜表面にナノスケールの凹凸を加えるとタイトジャンクションの形成が促進されることがわかった。また、生体RPE層と同様に、基底側への血管内皮増殖因子(VEGF)の極性分泌も観察された。次に、流路デバイス内でHUVECを潅流培養すると、ポーラス膜の細孔に細胞が侵入し反対側の面に遊走する様子が確認された。細胞培養面の反対側にVEGFを混合させた培養液を潅流すると、遊走する細胞数が3倍程度増加し、HUVECがVEGFに応答していることがわかった。続いて、ポーラス膜の上下にARPE細胞とHUVECをそれぞれ培養して共培養系を作製した。今後、この共培養系を用いた両細胞間の相互作用の評価や、RPE層の機能低下を誘発する刺激を負荷することで病態モデルへの展開が期待できる。
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Research Products
(9 results)