2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24651157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑野 博喜 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50361118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 基揚 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00417966)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 集束イオンビーム / マイクロイオン源アレイ |
Research Abstract |
フレキシブル同時並行マイクロファブリケーションプロセスを目的としたマイクロイオン源アレイを開発した。具体的にはイオン液体である1エチル3メチルイミダゾィウムテトラフルオロボレート([EMIM]-[BF4])をイオン発生用材料として適用した高電流密度マイクロイオン源を実現した。このイオン液体用貯蔵溝をイオン源マイクロエミッターアレイとの集積化をシリコン基板上にマイクロマシニング技術により集積化を図った。マイクロエミッターアレイは、シリコン深堀エッチングと等方性エッチングを組み合わせて先端半径数十nmを実現したものであり、さらに特殊な表面処理によりイオン液体に対する濡れ性を高くすることにより実現した。さらに本マイクロイオン源アレイのイオンビーム特性を検証するために専用の真空装置を試作し、雑音の少ないイオン引き出し電流およびイオンビーム電流、さらにはイオンビームにおけるイオン種の精密測定を可能とした。実験結果によればこの [EMIM]-[BF4] を用いたイオン源から射出されたイオンはシリコン基板に照射した場合にシリコンと結合して揮発性の化合物を形成することを確認した。マイクロイオン源のイオン発生物質としてイオン液体を用いることの利点は、従来のガリウムイオン源と異なり、加熱が不要であること、ガリウムのようにシリコン半導体に悪影響を及ぼさないこと、構造が単純でマイクロ化に適していること、などが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、マイクロイオン源アレイをマイクロマシニングを用いて作製する技術を開発した。さらにこの作製したマイクロイオン源アレイを用いてイオン放出実験を行い、イオン源アレイからのイオンビーム放出を確認した。同時に、放出されたイオンビームによりエッチング加工が可能であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.マイクロイオン源のレンズ系の設計と作製 2.マイクロイオン源アレイの試作 3.マイクロイオン源アレイによるシリコン基板のイオンビームエッチング特性の把握 4.マイクロイオン源アレイによるシリコン基板の反応性イオンビームエッチング特性の把握
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロイオン源試作検討のためのプロセス経費および材料経費に使用。また学生のRA経費として使用する。今年度は研究をイオンエミッタアレイに集中したが、次年度は、マイクロイオン源のレンズ系の設計と試作を主として研究を実施する。
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Research Products
(2 results)