2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロファイバーを用いた超高速血中がん細胞分離システムの開発
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24651158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高井 まどか 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40287975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロファイバー / 血中循環がん細胞 / イムノアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究から血中を循環している癌細胞(CTCs)は、新たな腫瘍マーカーとして利用できることが期待されている.これは腫瘍の進行度と血中細胞数とが相関関係にあることが近年示されたためである.しかし、10mL中の血中に存在するCTCsの数が、数十個程度と非常に少ないことが報告されているため、血中から効率的にCTCsを捕捉し定量化することが重要になる.これまでに、基板表面にマイクロポストを構築したマイクロチップを用いて、細胞膜タンパク質であるEpCAMが発現している細胞を高い捕捉率で捕えた例など、マイクロチップを利用した研究が多数報告されてきた.しかし、マイクロチップでは1時間当たり数mL程度の血液しか分析できないことが報告されており、血中に微量しか存在しないCTCsの細胞数を定量的に計測するためには、比較的大量の血液が必要であると考えられる. 本研究では、細胞との接触面積を大きくするためにマイクロファイバーからなる不織布を作製し、CTCs上に異常発現しているEpCAMと特異的に反応する抗体(抗EpCAM 抗体)を基板上に固定化し、吸引装置を共に用いる事で、大量の血液から簡便、迅速かつ効率的にCTCsを捕捉できるデバイスを作製することを目的とした 抗EpCAM抗体を固定化したPSファイバー不織布に対して、EpCAMが発現しているMCF7細胞を反応させると、ファイバー上への捕捉がみられ、また、EpCAMが発現していないHeLa細胞の場合では、捕捉が見られなかった.このことから、EpCAMを介した特異的な抗原抗体反応により、マイクロファイバー上へ細胞の捕捉が起きていることが分かった. この時の10mLの全血から補足にかかる時間は、1分以内であり目的としてた迅速検知が実現できた.
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Research Products
(6 results)