2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24651163
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笹川 清隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (50392725)
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Keywords | マイクロセンサー / マイクロ光システム / イメージセンサー |
Research Abstract |
本年度は,前年度までに試作したCMOS (Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)プロセス金属配線層を用いたオンチップ光学素子の試作と評価,および,これを搭載したイメージセンサの評価を行った. オンチップ光学素子は65nm標準CMOSプロセスによってイメージセンサ用画素上に作製された金属グレーティング構造であり,偏光分離特性を有する.グレーティングピッチは波長より十分小さくなっており,約100程度の消光比が得られることが確認されている. 画素毎にグレーティング方向を変えた設計が可能となるが,イメージセンサでは画素の微細化により,画素間のクロストークが顕著となる.偏光検出においては,光学的に高い消光比を達成しても画素間クロストークによって,その性能を十分に活かせなくなってしまう.そのため,イメージセンサ画素には,画素深部で生成される不要なキャリアの拡散を低減するガードリング構造を導入した.これにより,クロストークを約30%低減することに成功した.また,イメージセンサについては,通常の画像取得の他に,偏光像が得られることにも成功した.これにより,サブミクロンの超微細プロセスを用いることによって高消光比偏光イメージセンサの設計が可能であることを示した. また,ナノフォトニクスの応用として,波長スペクトル計測の画素についての研究を行なった.この画素は,CMOSプロセスの金属層を用いたスリットを有しており,波長によって回折角が異なることを応用し,回折パターンから波長推定を行う.実際に,回路設計を行いし試作チップを作製した.
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