2012 Fiscal Year Research-status Report
農業経営における意思決定統合支援システム構築に向けた多期間作付計画に関する研究
Project/Area Number |
24651174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 健 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (80309492)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 経営工学 |
Research Abstract |
連作障害の状況把握について,当初予定していたような連作障害による収穫の減少量の情報を正確に収集することは,そのような目的に特化した実験を行うなど,大規模な調査が必要になるため,当初想定していたような各地域・作物毎の詳細なデータを入手することはできなかったが,農業従事者や研究者への聞き取りやアドバイスから,本研究で対象とする問題に含まれる係数や各種条件を経験的に同定する方向性の目途がついた.本研究では熟練者の勘や経験を活用できるファジィ数理最適化モデルの構築を検討しているため,このような同定が可能になることは,モデルの提案において非常に大きな意味をもつ. また,連作障害に関する情報収集と並行して,最適化モデルの構築に必要な知見を吸収するべく,オペレーションズ・リサーチや経営関連の学会,研究会などに参加し,数理最適化モデルに関する最近の話題や実用事例に触れ,本研究への適用可能性を探った.これにより,経営意思決定統合支援システム構築のベースとなる多年度に渡る収穫量最大化を目的とした簡単なモデルの提案を,ネットワーク計画の観点から行うことができた.このような成果は交付申請時には予定していなかったし,最適解の導出における効率性という点でまだ十分に満足できるものではないものの,本研究が目指しているシステム構築の足掛かりとなる重要なモデルであり,研究発表などにおける議論の場で他の研究者の意見を取り入れることにより,さらなる大きな成果につながるものであると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が目標としているのは,農業における経営意思決定統合支援システム構築を視野に入れた数理最適化モデルの提案であるが,概ね本年度の研究実施計画に沿った活動を行うことができた.連作障害による収穫量の減少について,当初予定していた内容の情報を得ることはできなかったが,研究遂行に大きな影響を及ぼさないものであったし,それ以上に,本年度には予定していなかった基本数理モデルの提案ができたことが,本研究の進捗性を高めているため.
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Strategy for Future Research Activity |
連作障害に関する情報収集について,当初予定していた性質のものを得ることはできないが,本年度に引き続き,次年度も関連する情報の収集に従事する.この作業と並行し,既に提案済みの数理モデルを改良・拡張することを試み,そのファジィ概念化について検討する.具体的には,農業従事者や農学の専門家への聞き取り,オペレーションズ・リサーチ,ファジィ,経営などに関する各種会合に参加することで,対象とする問題の解決に必要な実用上の工夫を探り,本研究での活用を検討する. また,可能であれば最適解を効率的に導出するアルゴリズムの開発を行おうとも考えており,グラフ理論やアルゴリズム,計算機科学に関連する分野での情報収集にも一定の努力を費やす予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり,平成25年度請求額と合わせ,平成25年度の研究遂行に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)