2013 Fiscal Year Annual Research Report
安全性から見たネットワークフローモデルの開発とその応用
Project/Area Number |
24651177
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 健一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (90408724)
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Keywords | オペレーションズ・リサーチ / 数理最適化 / 安全性 / 都市・地域計画 / ネットワーク最適化 / 整数計画法 / 多目的最適化 / 数理モデル |
Research Abstract |
登下校途中の児童が事件や事故に巻き込まれる被害が報告されており,対策の一つとして集団登下校が挙げられている.すでに構成済みの,安全性の高い移動経路設計のための二目的の基本モデルを拡張し,現実の道路網から作成した例題に適用して実験を行った. 基本モデルでは,児童の下校経路を合わせたものは,学校を根とする木であると仮定していた.基本モデルを用いた実験では,どの児童も最短経路から大きく迂回することなく,児童が一人で歩かなければならない距離の合計を大幅に削減するような,安全性の高い下校経路が得られていた.一方で,基本モデルでは,一旦分岐して別のグループとなった児童達が再度別の頂点で合流する場合や,ある児童を家まで送るために一旦経路を外れてまたもとの経路に戻るような移動を表現することができなかった.このような場合を扱うことが可能なモデルを,ネットワークを多層化して表現することに成功した.この多層ネットワークモデルを用いた実験結果から,一人で歩く距離の最小化を重視した場合には,再合流や児童を家まで送る経路を含む解が得られる場合があることを確認した.一方で,多層ネットワークモデルの目的関数値の改善量は,基本モデルと大きな差は出ておらず,結果として最適解の導出が容易な基本モデルにも実用的な利用価値があることが判明した. さらに,基本モデルや多層ネットワークモデルに対して,良質な解を高速に得るための発見的解法を構成した.また,児童の登下校経路に監視員をどのように配置すべきかを決定するモデルについても考察し,定式化を行った.
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