2013 Fiscal Year Annual Research Report
水中係留浮体の構造挙動を積極活用した新しい発電・防災兼用システムの研究開発
Project/Area Number |
24651183
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 太裕 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00344482)
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Keywords | 構造力学 |
Research Abstract |
本研究は将来的な環境保全技術として、係留索を用いて水中に安定化させる水中係留浮体構造の「動揺しやすい」性質を積極活用することでエネルギーを得るとともに、波浪・災害から陸地を守るという二重の機能を有した革新的次世代洋上施設の技術成立性について、構造力学・構造工学的視点から多角的に検討することを本研究期間の目的としている。これを実施するために国内外の海洋エネルギー、防災施設に関する調査を実施するとともに、構造力学的観点から技術成立性の検証をすべく、解析モデルの構築および非線形挙動評価等の課題に取り組んだ。主な成果は以下の通りである。 (1)水中係留浮体構造解析モデルの検証:浮体部を質点系としてモデル化し、係留索のゆるみ(スラック状態)を考慮可能な解析モデルを構築した。 (2)上記解析モデルによる大波浪の作用による非線形動的挙動の時刻歴計算:上記の解析モデルを用い、波浪入射時の構造挙動の時 刻歴解析を実施し、大波浪時のスラック状態と係留索の急激な張力回復に伴い生じる準衝撃的な力(スナップ荷重)の発生メカニズムを再現した。 (3)浮体を円筒シェルとした場合のモデル構築:構造挙動は係留索配置の状態とともに、浮体と浮体をジョイントする部分の剛性や 浮体自身の弾性も大きく影響することから、これらに関するモデル化と、その基本的な構造特性について差分方程式を用いたモデルを構築し、検討を行った。
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