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2012 Fiscal Year Research-status Report

ギガソーラーシティを実現する大都市圏構造のあり方

Research Project

Project/Area Number 24651186
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

加藤 丈佳  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90283465)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords太陽光発電システム / 都市計画 / エネルギー / 電力系統
Research Abstract

本研究では、都市計画に反映する太陽光発電システム群の大量導入に関する指標として、1)日常交通行動を考慮した郊外戸建住宅へのPVS導入の実質的CO2排出削減効果、2)配電系統における電圧上昇の抑制、3)系統故障時におけるPVS群一斉脱落の緩和を評価し、これらの得失をPVS群の分散状況を説明変数として定式化するものである。
本年度は、1) に関して、中京都市圏の50地域を対象として、勤め人が都心へ通勤する1~6人家族の世帯がPVS付き戸建住宅に居住する場合を想定し、都心にてPVSなし集合住宅に居住する場合との比較により、PVSの実質的な省エネ効果を評価した。その結果、日常行動にて利用する自動車が燃費のよい燃費の悪いワゴン車を利用する場合でも、都心にてPVSなしの集合住宅に居住するよりも、3人家族の世帯では十数km圏内、4人家族の世帯は6~7km圏内の郊外地域であれば、 PVS付の戸建住宅に居住する方が省エネになり、ハイブリッド車を利用すれば大家族の世帯でも郊外におけるPVS付きの戸建住宅居住は都心におけるPVSなしの集合住宅居住よりも実質的に省エネになることを示した。さらに、住宅密度を都心地域並みに高めるように郊外地域を分散集中化することで、日常行動における自動車利用が減少するため、PVS付の郊外戸建住宅居住の方が省エネとなる都心からの範囲は数km拡大することを明らかにした。
また、2) に関して、地域特性が異なる様々な配電系統を対象として太陽光発電システムの大量導入の影響を統計的に評価するため、メッシュ統計、住宅・土地統計調査、商業統計調査を利用して、500mメッシュ単位で年間の電力需要1時間値を算定する手法を構築した。また、本手法を応用し、電気自動車の大量導入時の電圧低下に関する統計的な評価を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究で目的とする太陽光発電システム(以下、PVS)の大量導入に対応可能な大都市圏のグランドデザインを示すためには、様々な地域の集合体として大都市圏を表し、個々の地域におけるローカルな制約を考慮して、PVS群の導入メリットや課題を明らかにする必要がある。そこで本年度は、まず、PVSが導入されない都心部の集合住宅居住との比較により、PVS付の郊外戸建住宅居住の実質的CO2排出削減効果に関して検討した。本年度はCO2排出削減量ではなく一次エネルギー消費の削減効果を算定したものの、郊外居住が有利となる都心からの距離や居住者の特徴を明らかにすることができた。ただし、PVS大量導入のグランドデザイン策定に関連づけるためには、これらの特徴を指標化する必要があるが、指標化の方法については検討中である。
また、PVS群の大量導入が電力系統に与える影響について、配電系統の電圧上昇および送電系統の潮流変動特性の観点から評価する予定であった。前者については、地域特性が異なる様々な配電系統を対象として評価するため、メッシュ統計、住宅・土地統計調査、商業統計調査を利用して、500mメッシュ単位で年間の電力需要1時間値を算定する手法のアルゴリズムは構築できた。ただし、算定結果の妥当性の検証が不十分であり、電圧上昇に関する検討までは至っていない。また、後者については、これまでに収集した多地点の日射データを用いて基幹系統単位で空間平均日射変動特性を評価しているが、潮流分布の変動特性としては評価できていない。

Strategy for Future Research Activity

まずは、本年度の継続として、500mメッシュ単位で算定した年間の電力需要1時間値に対し、当該エリアに最寄の日射観測地点のデータを適用し、500mメッシュ単位で太陽光発電システム(PVS)の出力を考慮した系統負荷の1時間値を算定し、これを配電変電所の供給区域単位で集計するための手法を構築する。配電変電所の実際の供給範囲に関する情報は得られないため、一つの配電変電所の容量を制約として、夏期昼間の電力需要に基づき、供給範囲を算定するアルゴリズムを構築する。この結果算定される各範囲における需要分布に基づき、配電変電所の供給範囲を類型化し、各類型について電圧上昇やPVS一斉脱落時の影響等を評価する。
また、各送電系統単位で集計した空間平均日射変動特性をこれまでに構築した都市圏を考慮した電力系統モデルに適用し、送電系統の潮流変動特性を算定する。
さらに、これらの結果から地域別にPVS大量導入のインパクトを無次元指標にて表し、PVS大量導入に適した地域の特徴を把握するとともに、一定の範囲内で需要家の移動が可能と想定し、PVS大量導入に適した都市圏における住宅および付随する商業施設の最適配置を決定する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後の研究の推進に必要な基礎データや解析用ソフトウェアは購入済みであり、次年度の研究費(500,000円)は、主に成果発表のための旅費に使用し、必要に応じて、メッシュ統計データ等を追加で購入する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 日常交通行動の地域性を考慮した郊外住宅地における太陽光発電システム付戸建住宅居住の実質的省エネ性2012

    • Author(s)
      加藤丈佳
    • Journal Title

      都市計画論文集

      Volume: 47 Pages: 385-390

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] EV充電方法による街区群の合計電力需要パターンに関する統計的評価2013

    • Author(s)
      北山隼
    • Organizer
      エネルギー資源学会研究発表会
    • Place of Presentation
      東京(砂防会館)
    • Year and Date
      20130606-20130607
  • [Presentation] 対象エリアの面積に応じた空間平均日射量の短時間先予測精度に関する一検討2013

    • Author(s)
      谷藤昂亮
    • Organizer
      電気学会電力系統技術研究会
    • Place of Presentation
      熊本(熊本大学)
    • Year and Date
      20130129-20130129

URL: 

Published: 2014-07-24  

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