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2012 Fiscal Year Research-status Report

放任か制限か? ―親の養育態度と子どもの事故の関係―

Research Project

Project/Area Number 24651189
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

臼井 伸之介  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00193871)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords火災・事故 / 子どもの事故防止
Research Abstract

本研究の目的は、親の養育態度および安全意識と実際の事故発生の関係について、インタビュー調査と質問紙調査から実証的に明らかにすることである。研究の1年目は、以下の項目について実施した。
文献調査:子どもの事故リスクに関して、保護者の認識と子どもの事故リスクに関係する先行研究をレビューした。その結果、保護者の認識と子どもの負傷リスクの関連を明確に実証した研究はほとんどないことがわかり、本研究の独自性および意義が再確認された。
インタビュー調査:子どもを育てる上で特に安全面についての意識や実態調査、および質問紙調査での項目作成の資料とするため、インタビュー調査を実施した。調査場所は池田市内の子育て支援施設2箇所で、インフォーマントは支援施設に通う乳幼児の母親20名であった。質問は半構造化面接に即して行い、聞き取り項目としては、子どもの性別、年齢、きょうだい構成などの基本的な属性の他、事故やヒヤリハット体験の内容、日頃実施している安全対策、子育てについての考え方、子どもが怪我をすることへの抵抗感、子どもの性格等の特性、安全面で日頃気になっている点などであった。
インタビュー調査で書き取ったインタビューデータをパソコンに入力し、キーワードを付与することにより、質問項目ごとのカテゴリー化を試みた。また事故発生に至るまでのプロセスをいくつかのフローチャートにまとめ、関連する情報等も含めてプロセスの因果、問題点や不明点などの事項を抽出した。また日頃の安全対策の種類や事故、ヒヤリハットの内容などもとりまとめ、次年度予定している質問紙項目作成の資料とした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度では、研究の開始にあたり、まず子どもの事故リスクに関する保護者の認識と子どもの事故リスクの関係を検討した先行研究を後半にレビューすることができた。
また子どもを育てる上で特に安全面についての意識や実態調査、および質問紙調査での項目作成の資料とするため、子育て支援施設に通う乳幼児の母親20名に対してインタビュー調査を実施することができた。そして、インタビュー調査で書き取ったインタビューデータをパソコンに入力し、キーワードを付与することにより、質問項目ごとのカテゴリー化を試みた。その結果、事故発生に至るまでのプロセスをいくつかのフローチャートにまとめ、そこでの問題点や不明点などの事項を抽出することが出来た。そして、合わせて日頃の安全対策の種類や事故、ヒヤリハットの内容などもとりまとめ、次年度実施予定の質問紙項目案を作成できた。
以上から平成24年度研究はおおむね順調に進展していると評価される。

Strategy for Future Research Activity

前年度実施したインタビュー調査の結果を踏まえて、平成25年度研究では質問紙調査項目を確定し、調査を実施する。質問紙は子どもの性、年齢、きょうだい構成等の属性の他、子どもの性格特性、養育や安全についての基本的態度、日頃の種々の安全対策の実施状況、種々の事故やヒヤリハットの経験回数などの項目で構成する予定である。回答方式は主には提示された項目に対する多肢選択法または評定法で回答を求める。
インターネットによる質問紙調査(1回目)の実施:インターネットを介して調査協力者に回答を依頼し、データを収集する。入力画面やプログラミング、また調査協力者の募集等はリサーチサービス業者に委託する。調査協力者は満2歳児または4歳児の子どもを持つ保護者で、それぞれ300名を予定している。
質問紙結果の分析:回答結果の集計と統計分析を実施する。養育態度については、①怪我をすること、②行動を制限することの2つの視点での許容-拒絶の軸が考えられるが、これらの組み合わせから親の養育態度をいくつかにタイプ分けする予定である。分析の従属変数としては、事故の種類別回数だけでなく、クラスター分析等から事故をカテゴリー化する。そしてそれら事故回数を従属変数とする分散分析や重回帰分析等から、事故に関与する要因を明らかにする。また安全対策についても、独立変数とするだけでなく、従属変数としても分析し、安全対策の構築に寄与する要因について検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

質問紙調査実施に係る費用:平成25年度実施する質問紙調査は、マーケッティング業者へ委託し、インターネットを介しての調査を予定している。その委託費には質問紙画面作成および実施のプログラミング作成、参加者への謝金も含まれている。
専門的知識提供に係る謝金:本研究は発達心理学、臨床心理学、幼児保育教育にも係わり、幼児保育従事者等からも専門的知識の提供を受ける必要がある。そのため、平成25年度にも専門的知識の提供に係る謝金を支払う予定である。
データ入力に係る謝金:質問紙調査データの入力および分析に関して謝金を支払う予定である。
国内発表に係る旅費:研究結果の発表および情報収集のため、平成25年度は日本人間工学会(日本大学津田沼キャンパス)、日本認知心理学会(筑波大学)、日本心理学会(北海道医療大学、会場は札幌コンベンションセンター)に出張を予定している。そのための旅費等が必要となる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 人はなぜ危ないことをするのか?2012

    • Author(s)
      臼井伸之介
    • Journal Title

      クレーン

      Volume: 50(4) Pages: 4-8

  • [Journal Article] Situational Consistency of Risk Taking in Daily Life2012

    • Author(s)
      Shingo MORIIZUMI & Shinnosuke USUI
    • Journal Title

      Japanese Journal of Applied Psychology

      Volume: 38 Pages: 52-57

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The Effect of Tendency to Take Risks in Daily Life on Future Accident Involvement2012

    • Author(s)
      Shingo MORIIZUMI, Shinnosuke, & Hiroshi NAKAI
    • Organizer
      5th International Conference on Traffic & Transport Psychology
    • Place of Presentation
      Groningen, the Netherland
    • Year and Date
      20120828-20120902
  • [Book] リスクの社会心理学 (コラム2 行動レベルに影響を与える判断エラー)2012

    • Author(s)
      臼井伸之介 (中谷内一也編)
    • Total Pages
      287(47-48)
    • Publisher
      有斐閣

URL: 

Published: 2014-07-24  

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